研究課題/領域番号 |
08458199
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
杉野 弘 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50211305)
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研究分担者 |
東海林 博樹 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (10263873)
中村 隆範 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (70183887)
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キーワード | アクチビン / 増殖 / 分化 / アポトーシス / 受容体 / シグナル伝達 / α-フォドリン / 2-ハイブリッドシステム |
研究概要 |
本研究はアクチビンのもつ細胞増殖、分化、アポトーシスのシグナルがどのように区別されて細胞内へ伝達されるのかを明らかにすることを目的とする。本年度は次のような成果を得た。 アクチビン受容体と直結する細胞内シグナル伝達分子を各種cDNAライブラリー中に検索するために酵母の発現系を利用する2-ハイブリッドシステムを確立した。本法により特にアクチビンI型受容体と結合しうる分子をマウスB細胞ハイブリドーマ(アクチビンによりアポトーシスが誘導される)、ヒト白血病細胞K562(アクチビンにより分化誘導される)及びマウス脳のcDNAライブラリーに検索中である。現在のところ、アクチビンIA型及びIB型受容体と相互作用する分子としてFKBP-12とホモロジーの高い分子や他に数種類の分子が見いだされている。さらに、検索をつづけるとともにこれまで見いだされた分子の構造を詳細に検討する。 マウスB細胞ハイブリドーマHS-72はアクチビンによりアポトーシスを誘導される際に、DNA断片化と平行して細胞膜裏打ちタンパク質α-フォドリンが限定分解されることを見いだした。また、HS-72細胞にアクチビンIA型受容体を強制発現させるとアクチビンによりG1/G0アレストは観察されたもののアポトーシスは回避されるが、この時、α-フォドリンの分解も全く認められなかった。さらに、アポトーシスを誘導したHS-72細胞抽出物がマウス脳から精製したα-フォドリンを同様に限定分解することが分かった。これらの結果は、アクチビンのアポトーシスシグナルが細胞内のα-フォドリンの限定分解を司るプロテアーゼの活性化と関連していることを強く示唆している。
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