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1997 年度 実績報告書

三量体GTP結合蛋白質γサブユニットの分子多様性の生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 08458201
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

浅野 富子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 室長 (70100154)

研究分担者 森下 理香  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手
キーワードG蛋白質 / γサブユニット / プロテインキナーゼC / リン酸化 / リゾホスファチジン酸 / 組織分布
研究概要

G蛋白質はα、β、γの3つのサブユニットから成り、βとγは生理的条件下では常に結合して存在し、いろいろなサブタイプの組み合わせの複合体を形成している。これまでの研究結果から、βγの機能的な差はγによって決定されていると考えられている。本研究は、γの違いによるβγの機能的な差異を調べることにより、γの分子多様性の生理的意義を明らかにすることを目的にし、本年度は次のような成果を得た。1)各種γのうちγ12はプロテインキナーゼC(PKC)でリン酸化されることが明らかになっており、昨年度はリン酸化γ12を認識する抗体を作製した。今年度はこの抗体を用いて、細胞内でのリン酸化について検討した。Swiss 3T3 線維芽細胞をリゾホスファチジン酸(LPA)、エンドセリン、PDGFなどのホスフォリパーゼCを活性化することが知られているアゴニストで刺激すると、γ12のリン酸化がみられた。2)これらのリン酸化はPKCの阻害剤やPKCのdown-regulationで消失することから、細胞内でもPKCによりγ12のリン酸化が起きていることが明らかになった。3)LPAによるγ12のリン酸化は細胞を百日咳毒素で処理しておくと消失することからGi/oを介して起こっていると考えられる。4)PKCの強力な活性化剤ホルボールエステルによるγ12のリン酸化はあまり強くないが、細胞をLPAとホルボールエステルで同時に刺激すると、相乗的な増加がみられた。γ12はPKCとG蛋白質の活性化が同時に起こるときに強くリン酸化されることが明らかになった。5)各種γのうち蛋白質の同定がなされていなかったγ10とγ11をウシ肺より精製した。6)γ10とγ11に対する抗体を作成し、ラットの各組織における分布を調べたところ、両γとも多くの組織に存在した。血小板にγ11が特に高濃度存在することがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiroshi Ueda: "Association of the γ12 subunit of G proteins with actin filaments" Journal of Cell Science. 110. 1503-1511 (1997)

  • [文献書誌] Ryuji Nomura: "Two-dimensional distribution of Gi2α in the plasma membrane : a critical evaluation by immunocytochemistry" FEBS Letters. 415. 139-144 (1997)

  • [文献書誌] Osamu Saitoh: "RGS8 accelerates G-protein-mediated modulation of K^+ currents" Nature. 390. 525-529 (1997)

  • [文献書誌] Tomiko Asano: "GTP-binding protein γ12 subunit phosphorylation by protein kinase C : Identification of the phosphorylation site and factors involved in cultured cells and rat tissues in vivo" European Journal of Biochemistry. 251. 314-319 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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