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1997 年度 実績報告書

運動発生におけるキネシン頸部の役割

研究課題

研究課題/領域番号 08458204
研究機関東京大学

研究代表者

豊島 陽子  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40158043)

研究分担者 枝松 正樹  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60251328)
キーワードモータータンパク質 / 微小管 / キネシン / ncd / モータードメイン / 頸部 / 運動極性
研究概要

キネシンスーパーファミリーに属するncdは、キネシンとは逆に微小管の一端に向かって運動する。両者の頭部の構造は、結晶構造解析により解かれているが、あまり大きく違わないので、運動方向を決定する要因として、頸部が関与するものと考えられる。そこで、キネシン頭部にncdの頸部をつないだキメラタンパク質を作製し、その運動性を調べたところ、ATP非存在下では微小管を結合するが、ATP存在下では微小管から解離してしまい、一方向への運動を観察することはできなかった。ATPase活性を測定すると、K_<cat>およびK_<50%MTs>の値は、それぞれ7.8S^<-1>および0.22μMであった。同じ長さの頸部を持つキネシンフラグメント(キネシン頭部+キネシン頸部)のそれらの値と比較すると、キネシンのような連続的な運動ができないと考えられる。以上より、ncd頸部は一端への方向性を決定することはできないが、キネシン頭部の持つ+端方向への運動性をキャンセルできることがわかり、頸部が運動方向決定に重要な役割を持つことが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Lnoue,Y., Toyoshima,Y.Y., Iwane,A.H., Morimoto,S., Higuchi,H., Yanagida,T.: "Movements of truncated kinesin fragments with a short or an artificial flexible neck" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94. 7275-7280 (1997)

  • [文献書誌] Imafuku,Y., Toyoshima,Y.Y., & Tawda,K.: "Lenght dependence of displacement fluctuations and velocity in microtubule sliding movement driven by sea urchin sperm outer arm β dynein in vitro" Biophys.Chem.67. 117-125 (1997)

  • [文献書誌] 豊島陽子: "細胞の中の動きを取り出して見る" 細胞のミクロ探検(日本学術協力財団). 15-25 (1997)

  • [文献書誌] 豊島陽子: "In vitro motility assay" 細胞生物学の基礎技術-細胞骨格・細胞運動へのアプローチ(羊土社). 85-92 (1997)

  • [文献書誌] 豊島陽子: "微小管系モーターの多様な運動" 生体分子モーターのしくみ(共立出版). 47-60 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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