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DNA複製開始に関わるクロマチン結合蛋白質の探索 DNA複製開始に必須な遺伝子産物である酵母MCM3のアフリカツメガエルホモログXMCM3が5種類のMCM/P1ファミリーに属する蛋白質と会合している複合体がツメガエル卵抽出液でのDNA複製開始反応に必要であることを明らかにした。またそれらの挙動を蛍光顕微鏡などを用いて調べた結果、染色体上で複製が活発に起こっている領域からすべてのXMCM蛋白質が遊離していることを見い出した。さらにXMCM蛋白質の中で、Znフィンガー様配列を持たないXMCM3とXMCM5は複製反応の進行を止めても蛍光抗体法では染色体上のシグナルが減弱することが見い出し、DNA鎖の複製を伴わない複製開始反応の初期過程にこれら蛋白質が関わっていることが示唆された。
DNA複製に関わるMCM蛋白質と相互作用するクロマチン結合蛋白質 GST融合XMCM3蛋白質を用いてファーウエスタン法でクロマチン結合蛋白質を検索し、コアヒストンであるH3と特異的に相互作用することを見い出した。ヒストンH3との相互作用にはXMCM3のC末端の抗体エピトープ部位でもある領域が必須であることを見い出した。またヒストンH3の相互作用領域は塩基性アミノ酸に富むN端ではなく中央からC端側であった。さらに卵抽出液に内在するXMCM3のクロマチンへの結合はXMCM3のC端領域を加えることによって阻害されたことから、ヒストンH3とXMCM3の相互作用には生理的な意義があると考えられる。しかし、精製したXMCM3あるいはXMCM蛋白質複合体はそれだけではクロマチンに結合しない。現在MCM蛋白質のクロマチンへの結合に関わる新たな因子を検索している。
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