研究課題/領域番号 |
08458220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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研究分担者 |
木村 信也 大阪大学, 微生物病研究所, 教務職員 (70273703)
田中 誠司 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50263314)
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キーワード | 細胞増殖 / サイクリンG / CDK5 / 細胞周期制御 / 蛋白質キナーゼ / FISH / ウエスタンブロット / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
これまでに単離してきた細胞増殖制御因子遺伝子のうち、本年度はGAKについて詳しく解析した。GAK(cyclin G-associated kinase)は我々が以前ラットより単離したサイクリンG(Cyclin G)の結合蛋白質として新たにクローニングした新規Ser/Thrキナーゼをコードする遺伝子である。GAKに対する1種類のポリクローナル抗体と数種類のモノクローナル抗体を作製して一連の生化学的あるいは細胞生物学的実験を行った。免疫沈降とウエスタンブロット法を組み合わせてサイクリンGはGAKのみならずCDK5とも結合することを示した。一方、GAKもサイクリンGのみならずCDK5とも結合することを示した。HeLa細胞の二重チミジンブロック、およびNRK細胞の血清枯渇後の添加という2種類の細胞周期同調によりGAK,サイクリンG、CDK5の量的変化をウエスタンブロット法でみると蛋白質量いずれも際だった変化は見せなかった。ノーザン法によりmRNA量を見ると、サイクリンGは変化はなかったが、GAKはG1期後期で転写量が数倍程度に上昇していた。 GAKは発現は余り高い方ではなく、ノーザン法によると弱いバンドしか検出できない。しかし、いずれの組織でも転写が観察され、特に子宮では他の組織より数倍以上高い転写量を示した。また将来疾患との関連を調べるための基礎データとして供するためにFISHを用いてサイクリンGおよびGAKのヒト染色体上の遺伝子座位を決定した。次に、ヒストンH1を基質としてGAKが確かにキナーゼ活性を持つことを確認した。サイクリンGはGAK、CDK5の活性の一部を制御したが、免疫排除(immunodepletion)の実験においてもなお残存活性が測定できたのでこの複合体以外にも結合キナーゼ因子を持つことが予想された。
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