研究課題/領域番号 |
08458222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
相沢 慎一 帝京大学, 理工学部, 助教授 (50222451)
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研究分担者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
久堀 智子 帝京大学, 理工学部, 特別研究員
丹下 友子 (株)サイエンスサービス, 研究部, 研究員 (00276734)
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キーワード | バクテリア / べん毛 / タンパク質輸送 / 急速凍結法 / イムノブロット法 / 浸透圧ショック法 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
バクテリアのべん毛は構造の大部分が細胞外にあるため、構成タンパク質は合成の後なんらかの方法で細胞外に運ばれなければならない。べん毛基部にはリング状構造体および穴の開いたロッド構造が細胞質側に突出しており、べん毛タンパク質の輸送に関与していると考えられる。このべん毛タンパク質専用の輸送機構を遺伝学的、生化学的解析を元に、急速凍結レプリカ電顕法を駆使して詳細な構造解析を行うことが本研究の目的である。 輸送装置のうち可溶性因子を同定することがまだできていない。 ミュータントの膜画分に含まれるべん毛初期タンパク質をイムノブロット法により同定することができた。べん毛基部体にあるスウィッチ・タンパク質に対する抗体を用いてイムノブロット法によりミュータントの膜画分を調べる。その結果から、べん毛初期タンパク質の構築経路をある程度同定することができた。 また、浸透圧ショック法により、各ミュータントから細胞膜画分を調製した。浸透圧ショック法は微妙なテクニックである。初期過程でべん毛構築が停止したミュータントでは、外膜と内膜をつなぐべん毛基部体構造がないために浸透圧のかかり方も野生株とは異なることが予想されたが、各ミュータントで微妙な調節を行いながら最適条件を探ることができた。 このようにして調整した膜画分を急速凍結法・ディープエッチ法により可視化処理して、電子顕微鏡で観察した。その結果、いまだ機能のわからなかったfliO、fliQの遺伝子産物は輸送装置の形態形成に必要であることがわかった。
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