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1996 年度 実績報告書

アンチザイムの翻訳フレームシフトの分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08458223
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

松藤 千弥  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (50192753)

キーワードオルニチン脱炭酸酵素アンチザイム / トランスフェクション / 発現ベクター / 分裂酵母 / ポリアミン / 翻訳調節 / 翻訳フレームシフト / リコーディング
研究概要

1 試験管内翻訳系と哺乳動物培養細胞発現系において、アンチザイムのフレームシフトを促進するmRNA上のシス配列を解析した。先に欠失変異実験から示唆されていた約2倍のシフト促進効果を持つ上流のシス配列を置換変異体を用いて検討したところ、シフト部位の14塩基上流を中心とする約9塩基からなるGCに富む配列に主な活性があり、RNAの二次構造をとって作用するのではないこと、シフト部位との距離が重要であることが判明した。また、アンチザイムのシフト部位と他のフレームシフト配列を入れ替えたキメラ体の解析より、アンチザイムmRNA上のシス促進配列(下流のシュードノット構造および上流の促進配列)はマウス乳癌ウィルスgal-pro遺伝子の-1フレームシフトおよび大腸菌翻訳終結因子2(RF2)の+1フレームシフトにも促進効果を示し、特にRF2のシフト部位はアンチザイムシフト部位のコンテクストに埋め込まれると哺乳動物翻訳系においても20%を越える効率でフレームシフトを引き起こした。
2 融合シストロンを利用したフレームシフト検出ベクターにチミジンキナーゼプロモーター+ブラストサイジンデアミナーゼ遺伝子を組み込み、一過性発現系から安定トランスフェクション系に変更した。今後tetOを利用した誘導可能な安定トランスフェクション系に発展させ、応用範囲の拡大をはかりたい。
発芽酵母発現系においてラットアンチザイムmRNAが引き起こすフレームシフトは、動物におけるものと異なる-2フレームシフトであることを報告したが、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeを用いて検討したところ動物と同じ+1フレームシフトが主であることが判明し、ポリアミン依存性のフレームシフト検出系の構築は分裂酵母で作成した方が有利と考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Matsufuji: "Assignment of the Human Antizyme Gene (OAZ) to Chromosome 19p13.3 by Fluorescence in Situ Hybridization." Genomics. 38・1. 102-104 (1996)

  • [文献書誌] A.K.Verma: "Superinduction of mouse epidermal ornithine decarboxylase activity by repeated 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate treatments." Mol.Cell.Biochem.155・1. 139-151 (1996)

  • [文献書誌] 松藤千弥: "遺伝暗号を解読する新ルール"リコーディング"" 細胞工学. 15・8. 1076-1086 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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