• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

内皮細胞特異的な増殖因子受容体の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 08458226
研究機関東京大学

研究代表者

渋谷 正史  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107427)

キーワードFlt受容体 / 内皮細胞増殖因子 / シグナル伝達 / 腫瘍血管
研究概要

VEGF受容体の1つFlt-1はチロシンキナーゼドメインを有する受容体型構造を示すが、リガンドを添加した後の自己リン酸化はKDR/Flk-1(VEGFR-2)の10分の1かそれ以下でキナーゼ活性は非常に弱く、そのシグナル伝達は不明な点が多い。本実験では、このように特殊な性格を持つFlt-1からのシグナル伝達の解析を目的とした。
(1)、Flt-1タンパクをBaculovirus系で大量発現した結果、リガンド非依存性にFlt-1が強く自己リン酸化されることを見い出した。そこで、1種類のキナーゼ不活性型Flt-1と3種類のY→F変換Flt-1を作成し、同様にBaculovirus系で強発現させ、リン酸化チロシンのペプチドマッピングを行った。その結果、キナーゼ不活性型Flt-1では全くチロシンリン酸化が生じないことから、リン酸化はFlt-1自身のキナーゼによることが確認され、またペプチドマップによりY1169、Y1213がリン酸化を受けることが明らかとなった。さらに、NIH3T3細胞抽出液との混合後、抗Flt-1や抗PLCγ抗体などによる免疫沈降実験により、PLCγのFlt-1への結合部位は主にリン酸化Y1169を含む領域であることが明らかとなった。(2)、NIH3T3-Flt-1細胞株の中から、初めてVEGF依存性にFlt-1自己リン酸化が容易に検出できるNIH3T3-Flt(1)-3細胞株の樹立に成功した。その結果、VEGF添加後、自己リン酸化Flt-1へのPLCγの結合およびMAPキナーゼ活性化が観察された。さらに、このMAPキナーゼ活性化はC-キナーゼ阻害剤GFXで強く抑制されたことから、PLCγ下流のCキナーゼ活性化を介するものと結論した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Gotoh,N.: "Tyrosine phosphorylation sites of Shc, 239/240 involved in EGF-induced mitotic signaling distinct..." Mol.Cell.Biol.17. 1824-1831 (1997)

  • [文献書誌] Takahashi,T.: "The 230kDa mature form of KDR/Flk-1(VEGF receptor-2) activates the RLCg pathway and partially induceds..." Oncogene. 14. 2079-2089 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka,K.: "Characterization of the extracellular domain in the Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-1..." Jpn.J.Cancer Res.88. 867-876 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiji,H.: "Enhancement of tumor growth and vascular endothelial growth factor expression in rat mammary carcinoma..." Cancer Res.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Sawano,A.: "The phosphorylated 1169-tyrosine containing region of the Flt-1 kinase (VEGER-1) is a major binding..." Biochem.Biophys.Res.Commun.238. 487-491 (1997)

  • [文献書誌] Maru,Y.: "Flt-1, a receptor for vascular endothelial growth factor, has transforming and morphogenic potentials..." Oncogene. (in press). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi