研究課題/領域番号 |
08458228
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西田 育巧 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (50107059)
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研究分担者 |
山田 卓 (安達 卓) 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (20221723)
杉山 伸 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (00270984)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | MAPキナーゼ / MAPKカスケード / スフィンゴ脂質 / アクトミオシン系 / 細胞周期 / ショウジョウバエ / signal transduction / Drosophila |
研究概要 |
MAPKカスケードは、複数の受容体からのシグナル伝達に共通に機能し、細胞の増殖・分化に主要な役割を果たす。このカスケードに多様性と特異性を付与する因子を同定するために、ショウジョウバエでp因子挿入突然変異を多数誘発し、それらの表現形がMAPKKの優性活性化型突然変異によって抑圧または増強されるものを検索した。これまでに分離した4系統について解析を進めてきた。本研究により、その内3遺伝子を中心に研究を行った。(1)lace:生存に必須で、その穏和な変異体では、複眼・翅などの形態異常が認められる。スフィンゴ脂質生合成系の初期酵素serine palmitoyltransferaseをコードすることを明らかにした。本変異体では、アポトーシスが誘発され易くなっており、これへのSAPK/JNKカスケードの関与を示す結果が得られた。(2)Gp6:遺伝子クローニングにより、非筋ミオシン制御軽鎖(MRLC)をコードするspaghetti squash(sqh)の新規のアリルであることが判明した。Gp6では、複眼と脚尖端部の形成が異常になり、これらの蛹期での分化段階で特に高いアクトミオシン系の機能が必要と考えられる。Ras1との拮抗的な遺伝的相互作用を認め、また、Gp6変異を増強する新規のP因子挿入突然変異を多数分離した。(3)Gp99:M期進行に必要な細胞周期因子で新規のタンパク質をコードする。C末側約160アミノ酸残基の領域に類似したドメインを有する配列を出芽酵母や線虫のゲノムデータベースからそれぞれ4種および3種見い出し、3サブファミリーに分類可能であることを見い出した。このことからサブファミリーへの分岐が進化の早い段階で生じ、その後も保存されてきたと考えられる。出芽酵母の4遺伝子について遺伝子破壊を行い、それらの機能解析を行った。Sc-A破壊により、増殖がG1期で停止する。また、Sc-Cの破壊により増殖率の低下と、低温でのG2/M期での増殖停止が認められた。互いに類似性の高いSc-B1 Sc-B2の二重破壊株では増殖異常は認められなかったが、減数分裂の異常を認めた。また、Sc-C破壊株でも減数分裂の異常が認められた。
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