研究課題/領域番号 |
08458245
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水野 昇 京都大学, 医学研究科, 教授 (10025596)
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研究分担者 |
野村 嶬 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60034188)
大石 仁 京都大学, 医学部, 助手 (00252461)
高田 昌彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (00236233)
金子 武嗣 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90177519)
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キーワード | セロトニン / ペプチド / P物質受容体 / グルタミン酸受容体 / 三叉神経核 / 線条体 / 痛覚 / 嗅覚 |
研究概要 |
1.セロトニン作動性ニューロンの軸索終末が三叉神経脊髄路核尾側亜核浅層の侵害受容性視床投射ニューロンにシナプスすることを多重標識法および電子顕微鏡的免疫組織化学により証明した。 2.プレプロダイノルフィン、プレプロタキキニン、プレプロエンケファリンAに対する免疫抗体を作成した。また、これらの抗体による免疫組織化学と逆行性蛍光標識法を組み合わせて、線条体の投射ニューロンを2群に分類した。エンケファリンを発現する投射ニューロンからの投射線維はそのほとんどが淡蒼球に終止し、タキキニンとダイノルフィンないしエンケファリンを発現する投射ニューロンからの投射線維は主として黒質に終止する。 3.黒質に投射する線条体をニューロン(P物質を発現する線条体の投射ニューロン)は、その軸索側枝を、P物質受容体を発現する線条体の内在ニューロン(すなわちアセチルコリン作動性ニューロンおよびソマトスタチン陽性ニューロン)の近傍に送る傾向が強いことを観察した。また、このような軸索側枝のなかには、P物質受容体を発現するニューロンの樹状突起上に非対称性シナプスを形成するものがあることを電子顕微鏡的免疫組織化学により証明した。 4.代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR2のN未に対する単クロン抗体を用いて、mGluR2の免疫活性がニューロンの細胞体や樹状突起だけでなく、興奮性および抑制性ニューロンの軸索領域にも発現することを示した。 5.代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR7aとmGluR7bのそれぞれに対する免疫抗体を作成し、mGluR7の免疫活性が、シナプス前軸索終末にみられることを電子顕微鏡的免疫組織化学により確定した。 6.光学顕微鏡的および電子顕微鏡的免疫組織化学により、主嗅球および副嗅球の投射ニューロンの軸索終末からのグルタミン酸放出が、それらの終末に発現される代謝調節型グルタミン酸受容体mGluR2/3,mGluR7AとmGluR8によって調節されることが示唆された。
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