• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

大脳皮質ニューロンの層状配列を制御する分子の作用機構ならびに同分子の構造解析.

研究課題

研究課題/領域番号 08458247
研究種目

基盤研究(B)

研究機関高知医科大学

研究代表者

小川 正晴  高知医科大学, 医学部, 助教授 (50111951)

研究分担者 仲嶋 一範  理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター・分子神経生物学研究室, 研究員 (90280734)
キーワードリーリン / リーラーミュータントマウス / 大脳皮質 / Cajal-Retzius細胞 / preplate / CR-50
研究概要

皮質構造が特異的に異常になるミュータントマウスリーラーを使って,リーラーでは欠損し,正常マウスには存在する(allogeneic)分子を認識するモノクローナル抗体CR-50を分取してきた.今回,この抗体がリーラーの原因遺伝子(reelin)の翻訳産物(Reelin,以下リーリン)を認識すること,ならびに皮質構築におけるリーリン分子の役割についていくつかの成果を得た.
(1)CR-50抗原分子の同定:これまでWestern blot等によって,抗原分子を検索してきたが成功しなかった.今回,Curranらと共同実験し,immunoprecipitation等によって,CR-50はリーリンのN末を認識することを明らかにした.
(2)大脳皮質の構築:大脳皮質の構築が,preplateと呼ばれる皮質に最初に現われる一過性のニューロン層と,これより遅れて発生するcortical plateの間に成立している細胞-細胞間相互作用に依存することを明らかにしてきた.この細胞間相互作用が,preplateの構成員であるCajal-Retzius細胞に特異的に,しかも生きた状態ではその細胞表面上に,発現されるリーリンによって,制御されていることを明らかにした.従来,皮質ニューロンはradial glial fiberを足掛りとして移動し定着するものと考えられてきた.本研究は,radial glial fiberとは独立して,皮質ニューロン間の相互作用が,皮質層形成に基本的に重要であることをはじめて示した.また,リーリンは海馬-大脳皮質間の神経結合に必須の分子であることも明らかにした.
(3)小脳皮質の構築:小脳のpurkinje細胞は,分子層と顆粒細胞層の境界部に整然と1列に並んで形成される.このpurkinje細胞層の形成が,顆粒細胞の細胞表面に一過性に発現されるリーリンによって制御されていることを明らかにした.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Miyata,T.: "Distribution of a reeler gene-related antigen in the developing cerebellum : An immunohistochemical study with an allogeneic antibody CR-50 on normal and reeler mice." J.Comp.Neurol.372. 215-228 (1996)

  • [文献書誌] Sakakibara,S.: "Aneural RNA-binding protein highly enriched on the mamallian CNS stem cell." Develop.Biol.176. 230-242 (1996)

  • [文献書誌] D' Arcangelo,G.: "Reelin is a secreted glycoprotein recognized by the CR-50 monoclonal antibody." J.Neurosci.17. 23-31 (1997)

  • [文献書誌] Del Rio,J.A.: "An essential role for Cajal-Retzius cells and reelin in the layer-specific targeting of hippocampal afferents." Nature. 384. 70-74 (1997)

  • [文献書誌] 小川正晴: "細胞表面分子リーリンと大脳皮質ニューロン配列の関係" 蛋白質・核酸・酵素. 42. 577-583 (1997)

  • [文献書誌] Morita,N.: "Astrocytic lineage analysis by detection of GFAP promoter activity in vitro." Dev.Neurosci.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Miyata,T.: "Regulation of purkinje Cell Alignment by Reelin as Revealed with CR-50 Antibody" J.Neurosci.(in press). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi