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1997 年度 実績報告書

神経特異的接着蛋白質糖鎖の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 08458255
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

北村 邦男  埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70049857)

キーワード末梢神経ミエリン / 接着蛋白質 / 糖鎖構造 / 硫酸化グルクロン酸 / HNK-1 / バイオセンサー
研究概要

ウシ末梢神経ミエリンの糖蛋白質であるPO蛋白質とPAS-II/PMP-22蛋白質の糖鎖部分には、HNK-1抗体のエピトープ構造である硫酸化グルクロン酸を含有する糖鎖が存在する。神経に特異的に存在する一連の接着糖蛋白質のうちのいくつかにおいてもまたHNK-1エピトープ構造を含有することが知られており、接着時における硫酸化グルクロン酸の役割が注目されている。
本研究課題では上記硫酸化グルクロン酸がPO蛋白質やPAS-II/PMP-22蛋白質の接着機能に関与することを明らかにすることにある。前年度においてこの硫酸化グルクロン酸含有糖鎖が種々の動物由来の両蛋白質において普遍的に存在することを明らかにし、両蛋白質の機能にとって必須の構造体であることの状況証拠を得た。しかしながら、バイオセンサーを使用した検討により糖鎖同士の接着の可能性は否定的であったので、本年度は硫酸化グルクロン酸含有糖鎖とポリペプチドとの相互作用について検討した。固定化した硫酸化グルクロン酸含有糖鎖に対するPO蛋白質由来のポリペプチドのアフィニティークロマトグラフィーを行うことにより硫酸化グルクロン酸含有糖鎖と相互作用する1つのペプチドを得ることが出来た。このペプチドの分析の結果、このペプチドの配列はHNK-1と結合するラミニンの必須部分の配列との高いホモロジーをもっていることが明かとなった。
本研究により、末梢神経ミエリン構成蛋白質であるPO蛋白質は硫酸化グルクロン酸含有糖鎖部分とポリペプチド部分との相互作用によりミエリン膜の接着機能を呈することが明らかとなったが、このことから硫酸化グルクロン酸含有糖鎖の神経系における膜の接着や細胞間相互作用における重要な因子であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 秋山雄次、鈴木輝彦、田中政彦、今井史彦、浅岡俊之、坂本 安、北村邦男: "反復する耳下腺炎を併発した好酸球増加・筋肉痛症候群の1例" アレルギー. 46・12. 1273-1276 (1997)

  • [文献書誌] Ogawa,S., Ishibashi,Y., Sakamoto,Y., Kitamura,K, Kubo,M., Sakai,T.& Inoue,K.: "The glycoproteins that occur in the colloids of senescent porcine pituitary glands are clusterin and glycosylated albumin fragments." Biochem.Biophys.Res.Commun.234・3. 712-718 (1997)

  • [文献書誌] 北村邦男、坂本 安: "髄鞘の構造と蛋白" Clinical Neuroscience. 15・2. 130-134 (1997)

  • [文献書誌] 金子 厚,細川 武,北村邦男: "脱随疾患" 実験医学別冊"脳神経"(御子柴克彦編、羊土社). 236-237 (1997)

  • [文献書誌] 金子厚、北村邦男、渋谷匡子、吉村和法、坂本安、加賀井和幸、細川武、島津邦男、野村正彦、濱口勝彦: "傍腫瘍性神経症候群患者血清にみられた抗phosphacan抗体の検討" 神経免疫学. 6・1. 90-91 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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