研究課題/領域番号 |
08458256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
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研究分担者 |
阿相 皓晃 東京都老人総合研究所, 室長研究職 (30104160)
岡本 仁 理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (40183769)
韓 春錫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40306832)
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 神経形態形成 / 再生 / 免疫グロブリンスーパーファミリー / 細胞接着蛋白群 / L1 / 変異ヘルペスウイルスベクター / Pax6 / シュワン細胞 |
研究概要 |
神経形態形成と再生における細胞接着蛋白群の機能の解明を目的として、研究を行い、次の成果を得た。 1)免疫グロブリンスーパーファミリーの細胞接着蛋白L1には神経細胞に特異的な完全型と非神経細胞の短型があり、セリンのリン酸化が細胞移動能に関与することを示した。 2)神経形態形成の過程で、スブチリジン様プロテアーゼによってL1が分解され、機能変化する可能性を示した。3)Pax6ノックアウト動物の解析から、Pax6陽性細胞がL1免疫陽性の視床皮質路の線維の誘導に関与することを示した。4)中脳ドーパミン神経細胞は幼若期に一次的にフォスファカンを発現し、L1陽性線維との作用により細胞移動が制御されることを示唆した。5)L1cDNAを組込んだ変異ヘルペスウイルスベクターを導入、発現した初代培養アストロサイトは、同種性細胞接着活性を示し、神経細胞の突起伸展の促進、移動促進作用を示した。6)遺伝性水頭症患者にL1の新しい遺伝子変異を見出し、大脳の発達異常におけるL1の異常変化を検討した。7)シュワン細胞の分化の解析から、CD44がシュワン細胞のマーカーとなる可能性を示した。シュワン細胞はミエリン形成前期に軸索との接着を失うと細胞死を起こすが、この細胞死はニューレグリンにより抑制された。この時期の神経細胞に分泌型および膜結合型の多種のニューレグリンアイソフォームが発現し、作用することを示した。8)末梢神経ミエリン膜蛋白のPOとPASII/PMP22の精製法を開発し、それらの構造解析を試みた。Charcot-Marie-Tooth病1B型患者のPO遺伝子に新しい変異が見出され、ミエリンのコンパクションの異常が推測された。9)ヒルシュプルング巨大結腸症における神経節の欠損部では外来性神経線維のL1の発現が消失する結果、神経冠細胞の移動、神経突起伸展が障害されると推定された。
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