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1997 年度 実績報告書

脳高次機能におけるNMDA受容体チャネルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 08458260
研究機関新潟大学

研究代表者

崎村 健司  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)

キーワードNMDA受容体チャネル / コンディショナルジーンターゲッティング / ノックアウトマウス / 脳高次機能 / 神経回路形成 / 運動学習
研究概要

本研究の目的は、NMDA受容体チャネルが記憶、学習といった脳高次機能に果たす役割を明らかにすることである。NMDA受容体チャネルを構成するサブユニットのうち4種類のεサブユニットが、この受容体のチャネル機能を決定している。そこで、これらのサブユニットを欠損したノックアウトマウスを作成し、各サブユニットの生理機能を個体レベルで解析することにした。本研究期間中に、小脳顆粒細胞に高い発現をするε3サブユニットを欠損したマウスの作成に成功した。この結果、既に作成しているε1、2、4サブユニットと併せて全てのεサブユニットを欠損したマウスを得た。さらに、4種類のεサブユニットを欠損したマウスを掛け合わせて複数のサブユニット欠損マウスを作成した。これらの動物の解析により、以下のようなことが明らかになった。
1)ε1、3ダブルノックアウトマウスでは、運動学習に障害があることから、この様な学習にもNMDA受容体が関与していること。
2)ε4サブユニット欠損マウスでは、音による驚愕反射が亢進しており、この反射を担う神経回路に何らかの異常が起こっていること。
3)プロスタグランジンで誘導されるアロデニアにε1、ε4それぞれのサブユニットが別々に影響することから、脊髄を介する痛み刺激の伝達の調節にNMDA受容体が関与していること。
4)同一神経細胞のなかで、入力によりシナプスに存在するNMDA受容体サブユニットの組成が異なっており、細胞内にシナプスごとにサブユニットを選別する機構があること。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ito,I.: "Synapse-selective impairment of NMDA receptor functions in mice lacking NMDA receptor ε1 or ε2 subunit" J.Physiol.(Lond.). 500.2. 401-408 (1997)

  • [文献書誌] Minami,T.: "Absence of prostaglandin E2-enduced hyperalgesia in NMDA receptor ε subunit knock-out mice" Br.J.Pharmacol.120. 1522-1526 (1997)

  • [文献書誌] Kurihara,H.: "Impaired parallel fiber-Purkinje cell synapse stabilization during cerebellar development of mutant mice lacking GluR δ 2" J.Neurosci.17. 9613-9623 (1997)

  • [文献書誌] Watanabe,M.: "Contrasting localization of NMDA receptor channel subunits between stratum lucidum and other neuropil layers in the mouse hippocampu" Eur.J.Neurosci.(in press). (1998)

  • [文献書誌] 崎村健司: "NMDA受容体チャネルのノックアウト" 神経研究の進歩. 41. 746-755 (1997)

  • [文献書誌] 崎村健司: "脳:高次機能と分子機構からさぐる脳疾患" メジカルビュー社, 175 (1997)

  • [文献書誌] Ito,S.: "Proceedings of the 8th World Congress on Pain (Progress in Pain Research and Management,vol.8)" IASP Press,Seattle, 332 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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