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1996 年度 実績報告書

カルシウム透過性AMPA型グルタミン酸受容体のもつ機能的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08458265
研究種目

基盤研究(B)

研究機関群馬大学

研究代表者

小澤 瀞司  群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)

研究分担者 都築 馨介  群馬大学, 医学部, 講師 (60222139)
キーワード海馬ニューロン / 内向き整流 / Ca^<2+>透過性 / AMPA受容体 / 選択的阻害作用 / 合成女郎蜘蛛毒 / 1-ナフチルアセチルスペルミン / 膜電位依存性
研究概要

筆者らは、ラット海馬ニューロンで、大部分のニューロンのAMPA受容体が外向き整流性、Ca^<2+>不透過性であるのに対して、介在ニューロン様の形態をもつ一部のニューロンは内向き整流特性と高いCa^<2+>透過性を示すAMPA受容体(以下ではII型AMPA受容体と略す)のみをもつことを明らかにし、前者をI型ニューロン、後者をII型ニューロンと呼んだ。本研究の目的は、高いCa^<2+>透過性を示すII型AMPA受容体のもつ機能的意義を解明することである。このためには、II型AMPA受容体に特異的に作用する薬物の探索が重要である。今年度は、ラット培養海馬ニューロンのII型AMPA受容体に対する2種類のポリアミン誘導体の特異的阻害作用について調べた。
1)II型AMPA受容体に対する合成女郎蜘蛛毒(JSTX-3)の作用:JSTX-3は、外向き整流特性を示しCa^<2+>透過性をもたないI型AMPA受容体には作用を示さず、II型AMPA受容体のみを選択的に阻害した。阻害は使用依存性かつ膜電位依存性であった。阻害作用の膜電位依存性はきわめて顕著であり、1μMのJSTX-3はII型AMPA受容体反応を-80mVではほぼ完全に抑制したが、+40mVでは抑制効果は全く見られなかった。この阻害作用の膜電位依存性を定量的に解析することにより、JSTX-3の結合部位は、II型AMPA受容体チャネルの細胞内開口部の近傍にあることが推定された。
2)1-ナフチルアセチルスペルミン(NASPM)の作用:合成アシルポリアミンのうち、NASPM(C_<22>H_<34>N_4O=370.5)はJSTX-3(C_<27>H_<47>N_7O_6=565.7)より単純な分子構造にもかかわらず、甲殻類のグルタミン酸性シナプス伝達を抑制することが知られている。NASPMはJSTX-3と同様にII型AMPA受容体のみをを選択的に阻害した。NASPMの作用は基本的にはJSTX-3と同様であったが、阻害部位への結合速度はJSTX-3より数倍速かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Iino,M.et al.: "Voltage-dependent blesckage of Ca^<2+>-permeable AMPA receptors by joro-spider toxin in cultured rat hippocampal neurones." Journal of Physiology. 496. 431-437 (1996)

  • [文献書誌] Ozawa,S: "Permeation of calcium through glutamate receptor charrels" Seminars in Neuroscience. 8. 261-269 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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