研究課題/領域番号 |
08458269
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
廣田 秋彦 島根医科大学, 医学部, 教授 (50156717)
|
研究分担者 |
一ノ瀬 充行 島根医科大学, 医学部, 助手 (90127506)
榎本 浩一 島根医科大学, 医学部, 助手 (70112125)
|
キーワード | 光学的測定法 / 膜電位 / 光ファイバー / RH795 / 嗅球 |
研究概要 |
光ファイバー光学的膜電位測定システムは、光源に干渉フィルターを設置し、照明用、受光用の2つの光ファイバーの束を測定端では1本になるようY字型にまとめた光ファイバーを用い、膜電位感受性色素を用いて光学的に膜電位を測定する装置である。計画初年度の本年は観察対象とするラットの嗅球に合った測光装置の作製に当てた。特に、受光端の先に取り付ける螢光測光装置の自作には予想を大幅に上回る時間を要し、現在もある意味では開発途上の段階にある。この装置の開発用にロジックアナライザー、記録用にデジタルオシロスコープを購入した。動物を用いた測定で装置を評価しながら開発を進めるのであるが、自発呼吸によるアーチファクトが予想外に大きく、人工呼吸器を計画を繰り上げて導入し、最も呼吸による影響が少ない所で刺激する方式とした。 動物を用いた測定はネンブタールで麻酔をかけた後、脳定位装置で固定後開頭したラットを用い人工呼吸下で行った。市販されている脳定位装置は、基本的に微小電極を用いた電気生理学的実験用に設計されており、本研究の光ファイバーを用いた光学的膜電位測定に合わないところがあるため、多少の変更を加えた特注品を用いることとした。一方、使用しないばかりか実験遂行の支障となるAPバ-をはずした。これは、精密部品で取り付け調整費も高額なため、価格の大幅な低廉化も実現できた。膜電位感受性色素としてRH795を選定し、光ファイバーに設けた作業孔を用いて生体染色する方式を用い、刺激部位の膜電位変化を光学的に記録することに成功した。しかし、現状ではノイズの成分が大きく、加算処理を施さなければ使えない為、フィールド刺激による嗅球の直接刺激(電気刺激)の実験しか行えない。当初の目的であるニオイ物質を用いて刺激したときの膜電位変化を認識するにはノイズの更なる低減化が必須であり、現在装置を改良中である。
|