研究課題/領域番号 |
08458274
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
早川 純一郎 金沢大学, 医学部, 教授 (50110622)
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研究分担者 |
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
橋本 憲佳 金沢大学, 医学部, 助手 (50242524)
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学部, 助教授 (20155237)
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キーワード | マウス / 疾患モデル / 脂肪肝 / 精子 / 心肥大 / トランスポーター / カルニチン / 培養細胞 |
研究概要 |
培養細胞では遺伝子量にしたがってカルニチンの取り込みが減少し、トランスポーターの異常が明らかになっているJVSマウスでの各組織と細胞での機能を検討した。 1.24度室温下で飼育されたJVSマウス(B6-jvs)ではNatural Killer活性がヘテロや正常ホモに比べ有意に低い。同一飼育下での血清中の免疫グロブリン量(IgMおよびIgG)は両者で差は見られなかった。血清中の甲状腺ホルモン(チロシンキナーゼ)を測定した結果はJVSマウスで有意に低い値となった。 2.jvsホモ個体では、雄の繁殖障害がみられる。体外受精での未受精卵への侵入を指標にして精子の受精能を直接的に測定する系を実行するのに先立ち、生殖巣の組織学、精子の形態、精子の活性を検索した。精巣と精巣上体の組織学的所見、精巣から精巣上体尾部に至る管内の精子の形態は、正常個体に比較して明らかな差異は認められなかった。精巣上体尾部からの精子を培養すると、全く運動性を持たない(あるいは極めて弱い運動性の)ものが12個体中7、精子が凝集塊を形成(数個から夥しい数まで変異がある)するものが12中8認められた。塗沫標本作製の過程で精子の頭部は頚部から分離しやすい(分離率80%以上の例がみられた。対照では8%)。運動している遊離精子で体外受精を試みたところ、3例中いずれも受精率0%(対照では約70%)であった。 3.L-[3H]カルニチンを経口または静脈内投与(250ng/kg)し、眼底静脈叢より経時的に採血を行った。総カルニチンおよび未変化体カルニチンとアシル体の血漿中濃度、投与後4時間における組織内濃度を測定した。なお、未変化体カルニチンとアシル体はTLCを用いて分離定量した。 jvsマウスに未変化体カルニチンの分布容積は正常マウスに比べて有意に低値を示し、脳を除いた主要組織(肝臓、腎臓、腸、心臓、筋肉、肺、脾臓)の組織-血漿中濃度比も有意に低かった、jvsマウスにおけるカルニチン経口投与後のバイオアベイラビリティは正常マウスの約50%であった。
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