研究概要 |
1.コモンマーモセット(Callithrix jacchus)リンパ球特異的モノクローナル抗体の作製:マ-モセットの脾臓または末梢血リンパ球をBALB/cAマウスに1x107個を週一回、7週間免役し、その免疫脾細胞を骨髄腫細胞NS-1とPEG法で細胞融合を行い、コモンマーモセットリンパ球特異的モノクローナル抗体の作製を行った。5クローン(6C9,10D7,5A1,6F10,7A4)について得られた結果を要約する。抗ヒトT(leuT11),B(leuB1)抗体との2重染色によって、5クローンのうち6F10がT細胞、7A4がB細胞の亜群を特異的に認識し、他はT、B細胞を認識した。ヒトを含む他動物種リンパ球との交差性は、6C9,10D7,5A1がコモンマーモセットに特異的で、6F10がリスザルとのみ交差性を示し、7A4はヒト、リスザルと交差性を示したが、カニクイザルとは交差性を示さなかった。得られた5クローンは全てIgG1サブクラス抗体に属していた。 2.リスザル免疫グロブリンに対するモノクローナル抗体の作製:リスザル血清より粗抽出した免疫グロブリンをBALB/cAマウスに免疫後、MoAb抗体の作製を行った。その結果、15クローンが得られた。マウスIgG2a,IgG1およびIgMクラスに属する3クローンについて、その認識しているサル免疫グロブリンクラスを解析している。 3.抗ヒトリンパ球MoAb抗体と新世界ザルリンパ球との交差性:多数の市販抗ヒトリンパ球抗体とリスザルおよびマ-モセットリンパ球との交差性をFACSで検討した。その結果、CD2,CD3,CD4,CD8,CD16,CD20,CD25,CD45RA、CD69(リスザルのみ)が検出可能であることが分かった。しかし、同じ抗原を認識する抗体であってもクローンが異なることによって反応しないものも多く認められた。
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