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1997 年度 実績報告書

側鎖に糖を有する高分子による酵素の安定化とその機構

研究課題

研究課題/領域番号 08458287
研究機関神戸大学

研究代表者

中前 勝彦  神戸大学, 工学部, 教授 (40031075)

研究分担者 西野 孝  神戸大学, 工学部, 助教授 (40180624)
キーワード糖 / 糖鎖 / 酵素 / 安定化 / 活性 / 保存 / 高分子 / 相互作用
研究概要

酵素は生体内触媒であり,穏和な条件で活性を示すことから,様々な分野で利用されている。しかしながら,酵素はpH,温度など外部環境の変化によって容易に失活することから工業的展開を図るうえでその安定性の向上が望まれる。そこで本研究では,側鎖に糖を有する高分子を添加することによる酵素の安定化およびその機構について検討を行った。昨年度,この高分子をわずか1%添加することで酵素の安定性を大幅に向上させることができることを見出した。たとえば,乳酸脱水素酵素の例では遊離の酵素が室温30°Cで100時間後には活性が20%にまで低下するのに対し,側鎖に糖を有する高分子を添加することで,80%以上の活性を保った。また,放置安定性だけでなく,熱安定性,pH安定性,凍結・再融解安定性,凍結乾燥性など想定される様々な環境変化についていずれも有効であることを示すことができた。さらに添加する高分子として,側鎖に糖を有する共重合体を合成して添加したところ,より一層の安定化効果の存在することを見出した。そこでより詳細な分子レベルでの知見を得ることを目的として,引き続いて核磁気共鳴スペクトル,滴定型微小熱量計,示差走査熱量計,動力学定数の測定を行ったところ,側鎖に糖を有する高分子の存在により酵素の形態変化が抑制されることを見出した。これは,酵素と高分子との間に相互作用が働いていることに基づくことを熱的に示すことができた。さらに高分子の添加は酵素と基質との反応に影響し,触媒反応を活性化することを見出した。今後より一層詳細な解析を進め,側鎖に糖を有する高分子による酵素の安定化機構の解明を目指して行く予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K. Nakamae: "Stabilization of Enzyme by adding polymer with side chain saccharide" J. Biomedical Sci.,. (投稿予定).

  • [文献書誌] K. Nakamae: "Stabilization of Enzyme by adding polymer with side chain saccharide" J. Biomedical. Sci.,. (投稿予定).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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