研究課題/領域番号 |
08459007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井野 正三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70005867)
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研究分担者 |
長尾 忠昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40267456)
高見 知秀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40272455)
霜越 文夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00013409)
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228446)
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キーワード | ナノミセル / 多重双晶粒子 / アルカンチオール / ウニ微粒子 / 透過型電子顕微鏡 / 核磁気共鳴 / X線分光 / X線回折 |
研究概要 |
平成8年度はまず、ナノミセル作製チャンバーの作製を行った。食塩と金の真空蒸着源をチャンバー内に設置し、多重双晶粒子が最も効率よく生成される条件を求めた。次にアルカリハライドと金を交互に真空蒸着蒸着するための蒸着自動制御装置を自作し、これにより多重双晶粒子作製を自動化することに成功した。こうして、食塩結晶内に埋め込まれた金の多重双晶粒子をパイレックスビーカーに蒸着することで大量に作製し、これをチャンバーより取り出す。これにβ-メルカプトプロピオン酸を10^<-3>M溶かした水溶液を注ぐ事により、食塩が溶かされて、金の多重双晶粒子表面にβ-メルカプトプロピオン酸が化学吸着することにより、多重双晶粒子とアルカンチオールから成るミセル型分子集合体を作製することに成功した。我々はこの分子集合体を「ウニ微粒子」と命名した。このウニ微粒子を透過型電子顕微鏡で観察した結果、生成したほとんどの微粒子の内部構造が多重双晶構造になっていることを確認した。また作製した微粒子の大きさの平均は7nmであった。さらに作製したウニ微粒子の重水溶液についてプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定した結果、アルカンチオールは金微粒子表面上でジスルフィド(2量体)化して吸着していることがわかった。
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