研究課題/領域番号 |
08459020
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
萩島 哲 九州大学, 工学部, 教授 (70038090)
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研究分担者 |
鵤 心治 九州大学, 工学部, 助手 (30264071)
坂井 猛 九州大学, 工学部, 助教授 (30253496)
出口 敦 九州大学, 工学部, 助教授 (70222148)
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キーワード | 風景画 / 景観設計 / 視点場 / 宿場 / 景観マスタープラン / 視対象 / 距離景 |
研究概要 |
1.ヨーロッパ印象派絵画の視点場の検討 イギリスでは「ホワイトホールの階段から見たウォータール橋の開通」(コンスタブル)「ソ-ルズベリ-の大聖堂」(コンスタブル)の視点場を調査し、イタリアでは「ボッテルラの市街地」(コロ-)「ファルナーゼ庭園から見たフォルムの展望」(コロ-)「ポポリ広場から見たフィレンツエ」(コロ-)「ヴァチカンからみたローマ」(ターナー)の視点場を調査した。視点場は小広場、歩道、建物のテラスが多くその周辺は良く保全され、視対象は中景(300m-1km)の範囲内の建物が描かれている。 2.浮世絵絵画の宿場景観の検討 旧宿場における道幅/建物高さの比は、概ね0.7〜1.4であり、これは広重が描いた比と近い。宿場内では実際の街道は、やや湾曲になっているが、極点までの距離は800m以内で中景域に含まれ、絵では概ね直線で描かれている。 3.絵画と実景の比較検討 浮世絵の場合は、宿場内が描かれる場合実景とほぼ同じであるが、遠景の山が描かれる場合はデフォルメがなされる。一方ヨーロッパ絵画では、石造であることから建物、教会がのこっており、実景と同じであり、概ね中景にそれを配している。 4.景観計画に必要な表示項目 地方自治体で策定されている景観計画マスタープランは、現況図、課題図、計画・方針図、重点地区計画図で構成される。計画図に表示される項目は、自然要素である水、山、都市施設である幹線道路の整備が景観上の整備項目として上げられている。視覚に限定した項目を見ると、視点場整備、景観上重要な拠点が計画すべき項目に上げられている。
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