ヒト嚢胞腎症モデルであるDBA/2FG-pcyコンジェニック系統とC57BL/6FG-pcyコンジェニック系統を用いて、F_1を作製し、生後60日齢にて剖検した。F_1動物では全てがC57BL/6-pcy(B6-pcy)ダイプと同様の嚢胞腎像を呈した。また、F_2動物およびBC1動物においても同様の手法において検索し、嚢胞腎像に若干の変異が観察できた。現在、本研究の目的を達成するため、BC2動物より、兄妹交配を開始し、リコンビナントコンジェニック(RC)系統を育成中である。 本科学研究費補助金により、本年度にPCR用サーマルサイクラ-を購入することが出来た。本研究に用いたP代、F_1動代、F_2代、BC1代、BC2代の肝臓は全て-20℃デプフリーザ-に凍結保存したことから、PCRが本格的に作動した時点において、PCRを行い遺伝解析を実施する。 本研究の完遂にはさらに4〜5年間を用するが、この研究期間において、嚢胞腎の進行速度を左右する修飾遺伝子の存在を証明することが出来ると確信する。 この修飾遺伝子を追求することにおいて、ヒト嚢胞腎症の進行を抑えることにより、治療に大いに貢献すると考える。
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