研究課題/領域番号 |
08505001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
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研究分担者 |
須黒 恭一 (株)東芝ULSI研究所, 主任研究員
岩野 博隆 名古屋大学, 工学部, 助手 (50252268)
財満 鎭明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
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キーワード | 超低抵抗コンタクト / 金属 / SiGe / Si構造 / Ge / Si(100)成長 / 水素同時添加効果 / 自然酸化膜の抑制 / 水素終端効果 |
研究概要 |
本研究の目的は、次世代ナノスケール超微細ULSI用超低抵抗コンタクト材料・構造を提案することである。金属/SiGe/Si構造は、コンタクト界面のショットキー障壁高さを制御する重要な構造の一つであると考えられる。本年度は、金属/半導体界面に良質なGe或いはSiGe層を導入するために、Ge/Si(100)の成長に関しSTMを用いて調べた。特に、Ge膜成長中の水素同時添加効果及び成長面であるSi清浄表面の水素終端処理による酸化抑制効果について検討を行っている。以下に主な研究成果について示す。 (1)清浄なSi(100)2x1表面に、基板温度300-650℃でGe膜をMBE成長させSTMにより表面を調べた。Geフラックスは1x10^<13>cm^<-2>s^<-1>、水素分圧は1x10^<-4>-10^<-5>Torrであった。水素を同時添加しない場合、3ML以上の成長では3次元島が形成されたが、成長中に水素を同時添加することで3次元島の形成が抑制されることが分かった。これは、水素がGe原子の表面泳動を抑制するためであると考えられる。以上の結果は、水素同時添加によるMBE成長がより平坦なGe層を形成するのに有効であることを示している。 (2)清浄なSi(2x1)表面及び水素終端したモノハイドライド表面を室温で酸素に暴露し、STM/STSにより酸化過程を調べた。清浄表面では酸素分子により容易に酸化が進行した。4.5及び15Lの酸素露出ではそれぞれ0.2及び1.2MLの酸素が吸着し、Si(2x1)表面においても酸素はバックボンドに吸着していた。一方、水素終端面では酸素分子では酸素が吸着せず、原子状酸素を供給することにより初めて酸素吸着した。これは、水素終端処理が表面の自然酸化の抑制に有効であることを示している。 以上の結果は、超低抵抗コンタクトを形成する上で、極めて有効な結果である。
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