研究課題/領域番号 |
08505001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 幸夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60126951)
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研究分担者 |
須黒 恭一 (株)東芝ULSI研究所, 主任研究員
岩野 博隆 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50252268)
財満 鎮明 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (70158947)
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キーワード | Coシリサイド / ショットキコンタクト特性 / ショットキ障壁高さ / 界面固相反応 / コンタクト抵抗率 |
研究概要 |
本年度の研究では、次世代のコンタクト材料の一つと考えられるCoを用いたSiとのコンタクト界面での電流-電圧特性、ショットキー障壁高さ及びシリサイド反応について調べた。得られた主な結果について以下に示す。 (1)p型Siショットキーコンタクトの電流-電圧特性は、n型コンタクトに比べて良好なショットキー特性を示すことを見い出した。これは、他の高融点金属とは逆の結果である。Si中に形成されたトラップ密度は、p型コンタクトでおよそ10^<12>cm^<-3>であり、n型コンタクトに比べ1/10以下まで低かった。p型コンタクトで良好なコンタクトが形成されるのは、この低い欠陥密度によると考えられる。 (2)Co/Si(100)のシリサイド化反応では、460℃の熱処理でCoSiが形成されるとともにSi中にCoに起因するトラップが形成される。一方、580-700℃ではCoSi2が形成され空孔に起因するトラップが現れることが見い出された。これらの結果は、DoSi形成にはCoが拡散種となり、CoSi2形成にはSiが拡散種となることを示している。 (3)ショットキー障壁高さは、460-700℃の熱処理においてほとんど変化しないことが分かった。ショットキー障壁高さは、Co/p-Si(100)及びCo/n-Si(100)においてそれぞれ0.58-0.59eV及び0.59-0.60eVであり、CoSiとCoSi2ではほとんど変わらないことを示している。 (4)Co/Si(100)のコンタクト抵抗率は、基板濃度が10^<20>cm^<-3>のとき580℃の熱処理で最小値になり、p型及びn型コンタクトにおいて各々2.5×10^<-7>及び8.2×10^<-8>Ωcm^2であった。また、700℃の熱処理により抵抗率が増加したが、これは海面において不純物濃度が低下したためと考えられる。 以上の結果は、細線効果がなく微細なゲート電極として有効と見られているCo/Si系が、ソース・ドレイン電極としても有効であることを示している。ここで得られた形成技術に関する知見を基に、今後、界面反応をナノメートル精度で制御し、かつ低抵抗をもたらす次世代ULSI用コンタクト形成技術の確立を目指す。
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