研究課題/領域番号 |
08505004
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
隅山 兼治 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70101243)
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研究分担者 |
田上 勝通 NEC機能エレクトロニクス研究所, 記憶研究部, 研究部長
櫻井 雅樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80235225)
今野 豊彦 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90260447)
神山 智明 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005926)
鈴木 謙爾 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005861)
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キーワード | ナノクラスター / 磁性クラスター / レーザー蒸発 / 飛行時間型質量分析 / クラスター集合体 / 磁性 / 磁気抵抗効果 / グラニュラー膜 |
研究概要 |
本研究計画においては、レーザー蒸発クラスター発生源ならびにクラスターサイズ選別装置を備えたクラスター堆積装置を設計・作製し、ナノスケールサイズのクラスターを素機能単位とした新しい物質合成の基礎確立をめざしている。平成9年度に設計と組立を行ったナノクラスター堆積装置で、いくつかの金属を用いナノクラスター作製と堆積の特性評価を行うと共に、Feナノクラスターを使ったナノクラスター集合体さらにFeナノクラスター埋め込みFe/Agグラニュラー膜の作製、評価を行った。クラスター源のノズル形状、冷却用Heガスの圧力、アブレーション用レーザーの入射条件の最適化により、Feクラスターの場合には最大クラスター粒径を3〜6nmの範囲で変えることができ、また水晶振動型蒸着モニタによって堆積速度は6nm/minと比較的高強度クラスタービームが得られることがわかった。Feクラスターを使ったFe/Agグラニュラー膜堆積作製では、マグネットフィードスロー、3軸マニピュレータ、ゲートバルブ等を組み合わせたロードロックシステムを取り付けることで堆積室の高真空を保ったまま試料の交換が行えるようになり、効率よく試料作成が行えるようになった。本研究のレーザー蒸発クラスター堆積膜では、比較的サイズ分布の狭い明瞭なクラスターを堆積しているため、磁化率の飽和と磁気抵抗効果の飽和が同じ外部磁場(約1T)で起こり、断熱膨張を用いたクラスタービームで作製されたグラニュラー膜とは明らかに異なっている。Fe/Agグラニュラー膜の磁気的、電気的性質については日本金属学会において発表を行なった。また、飛行時間型質量分析計を用いたクラスターのサイズ分布観測から、Feクラスターにおいてこれまで報告の無かった明確なマジックナンバークラスターの生成が確認され、同結果について現在論文として投稿中である。さらにTi,Taにおいてもマジックナンバークラスターの存在を確認しており論文としての発表を準備中である。
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