研究分担者 |
井倉 洋二 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60203270)
塚原 初男 山形大学, 農学部, 教授 (30007083)
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
佐藤 冬樹 北海道大学, 農学部, 助教授 (20187230)
笹 賀一郎 北海道大学, 農学部, 教授 (70125318)
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研究概要 |
酸性降下物の森林地域への流入量及び森林地域からの流出量を把握するために,林外雨・林内雨・樹幹流・AO層通過雨・土壌水・渓流水の採取を全国の大学演習林において昨年度に引き続き実施した。採取した試料はpHECの測定及びイオンクロマトグラフによる溶存カチオン・アニオンの分析を行った。 以上の継続して行っている観測は,その方法及び採取樹柱が場所によって異なっているので,今年度は6月と9月のそれぞれ1ヶ月,全国の大学演習林にて湿性・乾性降下物,スギの林内雨・樹幹流,渓流水の一斉観測を方法を統一して実施した。その結果 ・湿性降下物のpHは参加した24演習林中18演習林で5.6以下であったこと ・源流域に位置する大学演習林でも降雨の酸性化が進行していること ・林外雨の溶存カチオン アニオンには共に地域性が見られること ・スギ林内雨のpHは6月は林外雨とほぼ同じで,9月はやや低かったこと ・林内雨の溶存成分にも地域特性が見られること ・渓流水のpHは7〜8の地点が24ヶ所,6〜7が13ヶ所で,ほぼ中性であったこと ・渓流水のNaの割合が海塩の当量濃度比と比較して各地で高いこと 等が明らかとなった。 また,今回の一斉観測では,新しい試みとして「大気中の物質濃度及び空気力学的方法を組み合わせた勾配法」による乾性降下物の採取を行った。その他の試料採取方法についても,昨年度発足させたワーキンググループにて検討を重ね,長期観測を見据えた観測方法をマニュアルを作成して提案した。
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