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1998 年度 実績報告書

防災地理情報システムを用いた危機管理と被害予測手法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 08508001
研究機関京都大学

研究代表者

河田 惠昭  京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)

研究分担者 田中 聡  京都大学, 防災研究所, 助手 (90273523)
林 春男  京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
亀田 弘行  京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
キーワード防災地理情報システム / 危機管理 / 被害予測 / 巨大地震 / 巨大災害 / 都市災害 / 災害情報 / GIS
研究概要

まず、時間帯ごとの総数死者数および負傷者数の時間変化については、NHKの生活活動調査結果による在宅率な-どを用い、かつ阪神・淡路大震災のデータを適用して、6つの原因によるものを推定した。その結果、各原因別に時間帯ごとのピークが見出せたほか、被害者総数としては、午前8時前後に最大のピークがあるほか、昼食時や夕方のラッシュアワー時にも大きくなることが見出され、また、兵庫県南部地震が起こった午前5時46分は決して幸運な時間帯でないことが明らかとなった。ついで、被害極限の方法については、間接被害に大きく分けて経済被害と人的被害があり、後者は人命の社会的価値の喪失として位置付けられることを示し、総被害学の評価方法を提案することができた。まず、経済被害としては、阪神・淡路大震災による兵庫県の電力使用量とGRPとの関係から、およそ2兆円と推定され、現象的には復興がすでに終わっていることを示した。また、人的被害の定量化では、平均寿命とGRPとの相関と交通事故による死者、重傷者、軽傷者への保険金支払いなどのコストの比較を用いて、阪神・淡路大震災を解析したところ、およそ2兆円になり、かつこの瞬間的な影響が18年間継続し、その間の総被害額がおよそ10兆円に達することを見出した。したがって、人的被害を軽減することが総被害額を大きく減らすことにつながるという論理が証明され、被害極限には自主防災組織による人命救助の役割が大きいことを見出した。これらのデータをGISに載せ解析することを可能としたが、これまでの町丁目単位ではなく各家屋単位での計算が可能なように次世代GISを開発することを試み、その構築に成功した。これによって、被害者数などを推定しようとすれば、現状の地震動による地盤のゆれの特性(加速度や速度)の評価がまだまだ改良の余地があることを見出した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 河田 惠昭: "地震発生時間帯による人的被害の変化" 地域安全学会論文報告集. No.8. 462-467 (1998)

  • [文献書誌] 河田 惠昭: "津波防災と地域防災計画" 月刊 海洋 号外. No.15. 209-214 (1998)

  • [文献書誌] 亀田 弘行: "災害緊急時と平常時の連携による総合防災情報システムの構築" 地理情報システム学会講演論文集. Vol.7. 29-32 (1998)

  • [文献書誌] 林 春男: "阪神・淡路大震災の建物被害データベース構築に関する研究" 1998年地域安全学会論文報告集. No.8. 14-19 (1998)

  • [文献書誌] 林 春男: "ISOの考え方に則った地震対策危機管理マニュアルの開発" 1998年地域安全学会論文報告集. No.8. 156-161 (1998)

  • [文献書誌] 田中 聡: "阪神・淡路大震災の建物被害データベース構築に関する研究" 地域安全学会論文報告集. Vol.8. 78-83 (1998)

  • [文献書誌] 河田 惠昭: "水循環と流域環境" 岩波書店, 305 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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