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1996 年度 実績報告書

X線天文衛星搭載のための超伝導トンネル結合型X線検出器開発の基礎研究と試作

研究課題

研究課題/領域番号 08554002
研究種目

基盤研究(A)

応募区分試験
研究機関理化学研究所

研究代表者

清水 裕彦  理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (50249900)

研究分担者 高田 進  埼玉大学, 工学部, 教授 (80282424)
前畑 京介  九州大学, 工学部, 助手 (30190317)
石橋 健二  九州大学, 工学部, 教授 (00159766)
加藤 博  理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 先任技師
松岡 勝  理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 主任研究員 (30013668)
キーワード超伝導トンネル接合素子 / X線検出器 / 低温計測
研究概要

本年度は本研究の初年度にあたり、まず素子の基本性能の測定装置の全般的な整備から取りかかった。まず冷却に必要なヘリウム3吸着型クライオスタットを制作し、0.4K未満の温度に安定して冷却させるシステムを組み上げ、素子の超伝導電流成分を抑制するための磁石の制作を行なった。また信号にのる電気的な雑音を抑制するための電気シールドを制作し、電気的な雑音は1桁以上低いレベルに抑えられた。
測定は市販の常温動作の電荷増幅型プリアンプから始め、多数の接合からエックス線信号を得た。その後市販のFETを使用して77K付近で動作するプリアンプを制作し、クライオスタット内に組み込む事によって、素子に近いところで低インピーダンスの信号に変換し、電気的な雑音を抑制する事が出来た。ただしここで使用したFETは、動作最適温度が110K程度で、窒素冷却の上で多少暖めて使用する必要がある。このような温度をクライオスタット内部で作り出すには熱的に少し工夫が必要である。これをさらに容易な動作条件下で安定した測定が可能になるように、他の研究項目に先立ってMOS型FETを低温に調整したものや、低温用J-FETを用いて、ヘリウム温度で動作する電荷増幅型の製作を行い、動作確認までが終了した。このヘリウム温度動作のプリアンプを使った測定は、現在進行中で近い内に結果をまとめる予定である。これによってさらに素子に近いところでの増幅が可能となり、電気的な雑音が低いレベルに抑えられると同時に、安定した動作条件が達成できるものと考えられ、より分解能の良いスペクトルが得られるものと期待している。同時により再現性の良いシステムとなっていると考えられ、実用に向けた研究上特に重要となる素子製作上の様々なパラメータと素子の最終的な性能の間の相関関係の研究が推進できるものと期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 前畑京介 他: "Characteristics of Large Nb-based Tunnel Junctions for X-ray Detection" IEEE trans. Applied Superconduct.7. (1997)

  • [文献書誌] 石橋健二 他: "Empirical Characteristics of Tunnel Junctions for X-ray Detection" IEEE trans. Applied Superconduct.7. (1997)

  • [文献書誌] 清水裕彦 他: "次世代の放射線スペクトロスコピー" J.At.Energy Soc. Japan. 38 No9. 18-23 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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