シリコン(PIN)ピクセル検出器の開発

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08554006
• 研究機関: 高エネルギー加速器研究機構
• 研究代表者: 松田 武 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10029564)
• 研究分担者: 斉藤 豊 セイコー, インスツルメント, 課長 ; 羽澄 昌史 大阪大学, 理学研究科, 助手 (20263197) ; 相原 博昭 東京大学, 理学研究科, 助教授 (60167773) ; 幅 淳二 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60180923) ; 池田 博一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10132680)
• キーワード: シリコン検出器 / ピクセル検出器 / 増幅器 / マイクロ・エレクトロニクス / 放射線耐性 / SOI / SOS / 半導体プロセス

研究概要

本研究では荷電粒子及びX線に対する2次元位置検出器としてPIN構造によるシリコン・ピクセル検出器の開発を目指している。昨年度は、SOIピクセル検出器の概念の実現性を試験するため、基本的な回路特性や基盤ウエハ-内のPIN構造の特性などを試験するため、SOIウエハ-とSOIピクセルの基本構造サンプルを試作した。試験の結果、プロセス・パラメーターの一部が不適当であったことが判明した。この点も含めて検討の上、平成10年度試作に反映する予定で進めている。RTN或いは微細低温プロセスによる対放射線性能の向上については、セイコ-・インスツルメントの0.8ミクロン低温プロセスによって製造したトランジスター・サンプルについて放射線照射試験を行い、RTN処理の有無によらず、良好な結果を得た。RTN処理の効果については、なおそのパラメーターへの依存があると思われる。今後、実際の増幅器回路等について、この微細低温プロセスによる放射線耐性の向上の試験を行う予定である。50ミクロンピッチ以下の半田バンプ・ボンディングについては、試作レベルにおいて、バンプ形成及びボンディング成功率について高いイールドを得ている。更に、平成9年度には、3種類の改良型MOSピクセルの設計・試作を開始した。これらは、MOSピクセルの高速化、リセットMOSFETの追加、短波長光にたいする検出効率の向上を目指すものである。

研究成果

• [文献書誌] K.Sato, et al.: "10-BIT CMOS OPTICAL LINK SYSTEM FOR SILICON VERTEX DETECTOR OF BELLE." KEK-PREPRINT-97-248. (1998)
• [文献書誌] T.Matsuda, et.al.: "FRONTEND INTERFACE OF THE SVD READOUT SYSTEM FOR BELLE." IEEE Trans.Nucl.Sci.44. 275-282 (1997)
• [文献書誌] H.Ikeda, et.al.: "INTEGRATION OF THE READOUT ELECTRONICS FOR THE ASTRO-E HARD X-RAY DETECTOR." KEK-PREPRINT-97-99,Jul 1997.9pp.
• [文献書誌] J.Haba: "KEK B AND THE BELLE EXPERIMENT." Nucl.Instrum.Meth.A368. 74-80 (1995)
• [文献書誌] M.Hazumi, et.al.: "PERFORMANCE OF A DOUBLE SIDED SILICON MICROSTRIP DETECTOR WITH A WIDE PITCH N SIDE READOUT USING A FIELD PLATE AND A MULTIP-STOP STRUCTURE." IEEE Trans.Nucl.Sci.44. 622-628 (1997)
• [文献書誌] C.Fukunaga, et.al.: "RADIATION TOLERANCE FOR THE SMA2SH SERIES FRONTEND CHIPS FOR A SILICON MICROSTRIP DETECTOR." Nucl.Instrum.Meth.A380. 618-622 (1996)
• [文献書誌] H.Aihara, et al.: DEVELOPMENT OF RADIATION-HARD PREAMPLIFIER CHIP FOR BELLE SVD (To be pulisheo.),