研究課題/領域番号 |
08554006
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
松田 武 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10029564)
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研究分担者 |
斉藤 豊 イソターチップ(株), 開発部, 部長
羽澄 昌史 阪大, 理学研究科, 助手 (20263197)
相原 博昭 東大, 理学研究科, 助教授 (60167773)
福永 力 都立大, 教養部, 助教授 (00189961)
池田 博一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10132680)
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キーワード | シリコン検出器 / ピクセル検出器 / 超集積回路 / 対放射線耐性 / 微細MOSプロセス / SOIピクセル / MOSピクセル / バンプ・ボンディング |
研究概要 |
本研究では荷電粒子及びX線に対する2次元位置検出器としてPIN構造によるシリコン・ピクセル検出器の基礎開発を目指している。 具体的には、SOIピクセル検出器・MOSピクセル検出器の可能性、エレクトロニクスの対放射線耐性及びピクセル検出器に必要な侠ピッチボンディング技術等の実装技術開発等について基礎的な研究を行っている。 昨年度は数種のMOSピクセルの基本構造の試作を行うとともに、RTNプロセスを併用する場合を含みより微細で低温酸化プロセスを採用する半導体プロセスの対放射線耐性のトランジスター・レベルでの試験、侠ピッチ・ボンディングによる実装試験などを進めた。 本年度(最終年度)は、主たる課題として、半導体集積回路の対放射線耐性の改善を取り上げ、トランジスター・レベルでの試験結果が良好であった0.8ミクロン低温CMOS半導体プロセスによる実用レベルの増幅器LSIの試作を行った。微細プロセスでは酸化膜の厚さの二乗の比例して放射線損傷の効果が減少することが予想できるから、従来の1.2ミクロン・プロセスと比較すると約2倍程度の改善が期待される。増幅器LSIは、別途開発しているアナログメモリー、スパース・データ・スキャン及びトリガー信号機能を内蔵する128チャンネルシリコン検出器用低雑音CMOS増幅器である。第1回試作においてはディジタル回路部分は概ね予想通り機能したが、アナログ回路に部分に問題があったので、プロセス・パラメーター測定及び測定結果をフィードバックして第2回試作を行った。現在放射線照射試験を含む評価サンプルの準備中である。同時に、本年度は、クラコフ・グループ(ポーランド)の協力を得て、ピクセル検出器によるイベント・トリガーの可能性を検討することとし、別途製作したシリコン・ストリップ検出器用トリガー回路基盤を部分的に改造してトリガー回路の初期的試験を行った。
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