研究課題/領域番号 |
08554015
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
鶴田 浩一郎 宇宙科学研究所, 惑星大気計測学, 教授 (10013682)
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研究分担者 |
早川 基 宇宙科学研究所, 磁気圏物理学, 助教授 (90167594)
向井 利典 宇宙科学研究所, 磁気圏物理学, 教授 (60013695)
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キーワード | 中性ガス質量分析 / 速度分布関数 / 飛翔体搭載 |
研究概要 |
本研究は中性ガスの質量分析、速度(温度)分析を目的とした飛翔体搭載用の計測器を開発することを目的としている。本研究では実際に飛翔体に搭載する機器を製作する一段階前のステップとして実験室で動作する測定器を作り、測定原理の妥当性の確認、搭載用計測器設計にむけた改良を行うことを目的に開発を進めてきた。 本装置の原理は装置に入射する中性ガスを非常に短い電子ビームのパルスで電離して、生成されたイオンを電界により加速し、その飛行時間、空間的な広がりから入射中性ガスの質量組成、各成分ごとの温度(速度分布)を求めるものである。基本的な試験設備は既に完成しているため本年度は主として性能面での試験と改良を重ねてきた。主な点を以下に述べる。 1. 飛行時間計測の誤差が予想より大きくその原因を追求した結果、誤差の主要な原因は電子ビームの特性に起因することが判明したた。電子ビームの整形、電子ビーム捕捉電極の改良、電子ビーム放出から分析開始までの時間の調整を行った鈷果、実用上問題のない程度に誤差を軽減することが出来た。 2. 位置検出方式を変更して高速スイッチングMCPとCCDの組み合わせとしたため、それまで微量成分分析の大きな制約となっていた一回の電子ビームパルスで1個以上イオン生成してはいけないという条件を外すことが出来た。 3. 計算機によるモデル計算と実験データの間で良い一致をみるところまで、実験、計算機モデルが改良出来た。今後、搭載機器を開発する上で有効な資産となると考えられる。
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