研究課題/領域番号 |
08554015
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
超高層物理学
|
研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
鶴田 浩一郎 宇宙科学研究所, 惑星大気計測学, 教授 (10013682)
|
研究分担者 |
早川 基 宇宙科学研究所, 磁気圏物理学, 助教授 (90167594)
向井 利典 宇宙科学研究所, 磁気圏物理学, 教授 (60013695)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
キーワード | 質量分析器 / TOF / 中性ガス / 速度分布関数 / 上層大気 / CCD / MCP |
研究概要 |
地球や金星、火星等の上層大気の組成、各組成ごとの速度分布関数を計測することを目的とした飛翔体搭載用の飛行時間型中性大気質量分析器の開発を目的とした研究である。中性大気は上層大気の主成分であるが密度は地上の10^<-10>程度で大変低く、大気を構成する原子、分子間の衝突頻度が低く、それぞれの原子、分子は過去の履歴を引きずりながら運動をしていると考えられる。したがって、これらの原子、分子の速度分布関数は平均運動をあらわすのみならず過去の履歴を明らかにするという意味でも魅力的な観測対象である。しかし、中性大気の速度分布関数を計測した実験はこれまで存在しなかった。われわれは飛行時間型の質量分析器と位置検出を組み合わせることによって上層大気組成(質量)と速度分布関数計測の方法を考案した。本研究開発の目的はこの新方式による大気組成、速度分布関数の計測を実験室の装置として実現し、且つ、搭載用の計測器を設計する為の基本的な装置パラメターを取得することである。 開発の結果、1)測定原理に関する部分で中性ガスを電離後一定の「放置時間」を設けることにより技術的な問題が解決できることが判明した。2)CCDを使った位置検出方式とMCPの高速スイッチング手法を導入することにより微量成分測定上の大きな問題を解決した。3)飛行時間計測による質量分析を理論モデルによる予測どおりに実現できた。4)CCDを使った新方式で質量分析、速度分布測定を検証することが出来た。しかし、電離源である電子ビームの整形、パルス駆動時の電子ビーム電流の制御に若干の問題が残っている。今後は、これらの問題を解決し、一様流を発生できる構成装置の完成を待って一様流中での校正実験を実施する予定である。
|