研究課題/領域番号 |
08554017
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
圦本 尚義 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80191485)
|
研究分担者 |
丸山 茂徳 東京工業大学, 理学部, 教授 (50111737)
松本 一哉 オリンパス光学株式会社, 応用研究部・電子デバイス室, 室長
平田 岳史 東京工業大学, 理学部, 助手 (10251612)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
キーワード | ウラン-鉛年代 / レーザーサンプリング法 / ICP質量分析法 / 高感度イオン検出器 / 二次元固体撮像素子 |
研究概要 |
本研究では、ジルコン試料から高精度年代情報を引き出すという高い学術的要求を実現するために、レーザーサンプリング法を用いた超高精度同位体分析法(以下レーザー質量分析法と略記)の開発を行った。まず、50ミクロン以下の微小ジルコン結晶を分析対象とするため、固体試料の局所部分から試料をサンプリングできる新しいレーザーシステムの開発を行った。レーザー光学レンズ系の改良(被写界深度の向上)と、長時間安定性の向上により、年代測定に重要なウランと鉛の定量性を高めることができた。また、レーザービームの微小化にともない、質量分析計内に導入される試料量が小さくなるため、質量分析計の高感度化を行った。これは、イオン光学系の改良(真空度の向上、イオン加速レンズの改良)と、高感度イオン検出器の開発により達成した。その結果、従来の質量分析法と比較して、少なくとも10倍以上の元素検出感度を達成することができた。特に、二次元固体撮像素子を用いたイオン検出器は、実用化に向けた基礎データの取得も進み、現時点では、イオンを直接検出できる最も有力な高感度イオン検出器であると結論でき、今後、様々な質量分析法に応用される可能性があることがわかった。これらの分析法の開発により、ジルコン結晶からウラン-鉛年代の決定が可能となった。得られた年代は、従来の分析法で得られたものとよい一致を示し、データの信頼性が確認できた。また、これまで分析が困難であった若い試料(年代1億年以下のジルコン)についても再現性のより年代データが得られることがわかり、ジルコン結晶の適用範囲が広がったことも本研究の特筆すべき成果だといえる。
|