研究概要 |
本年度は主に、蒸留光学分割に利用する不斉認識能の高い光学活性ホストの開発と結晶状態での不斉認識機構の解明を行なった。まず、新規光学活性ホストとして、シクロヘキサン1,4-ジオンおよびシクロヘキサン1,3-ジオンと酒石酸エステルから、それぞれ酒石酸ジオールユニットを2ヶ持つホストを開発した。これらのホストはいずれも高い包接能と優れた不斉認識能を発揮し、従来のホストでは光学分割できなかった,2-ヒドロキシ-2,5,5,トリメチルシクロペンタノン等の光学分割に威力を示した。又、光学活性な1,2-シクロヘキサンジアミンによるビスフェノール誘導体の光学分割を検討したところジアミンとビスフェノールが2:1錯体を形成すると能率良く光学分割できるが、1:1銹体を形成するとラセミ体が取り込まれることが判明した。又、これらの包接結晶中における不斉認識機構を固体CDスペクトルを用いて詳細に研究した。
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