研究課題/領域番号 |
08554031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
東郷 秀雄 千葉大学, 理学部, 助教授 (60217461)
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研究分担者 |
天谷 直之 日本油脂株式会社, 化成品研究所, 研究員(課長)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 高分子型超原子価ヨウ素化合物 / 再生・再利用 / ポリ(ヨードスチレン) / ポリ[スチレン(ヨードソジアセテート)] / ハロゲン化反応 / 1,2-転位反応 / スルホキシド / 酸化反応 |
研究概要 |
高配位(超原子価)ヨウ素化合物は有機合成における酸化剤、官能基変換、炭素ー炭素及び炭素ーへテロ原子結合形成試剤として優れた機能を有するばかりでなく、試剤の低毒性から工業的利用が大いに期待されている。本研究は、当初の計画に基づいて三配位ヨウ素化合物の反応試剤としての機動性とポリスチレン鎖の高分子としての機能性を連動させたリサイクル型物質変換試剤としての高分子型三配位ヨウ素化合物の創製を検討し、その物質変換試剤としての機能性を検討した。その結果、簡便な手法でポリスチレン鎖の芳香環パラ位に三配位ヨウ素官能基を導入できる手法を確立し、さらに、高分子型物質変換試剤として、当高分子型三配位ヨウ素化合物が、モノマー型の(ジアセトキシヨード)ベンゼンと同様に、種々の芳香環のヨウ素化反応、ケトン類の1,2-転移反応、ケトン類のα-ヒドロキシル化反応、ヒドロキノン類の酸化反応、スルフィド類の酸化反応に利用できることが判明し、物質変換試剤としての汎用性を確立した。しかも、条件によりモノマー型とは異なった生成物を与えることも判明した。いわゆるポリマー効果も確認された。さらに、これら高分子型三配位ヨウ素化合物を用いた反応において、簡便な操作と後処理、高分子型反応試剤の効率的回収、及び再生・再利用が確立された。これらの知見の一部は、すでに速報で論文に発表したが、これら一連の結果を総合論文として早々に投稿する予定である。現段階でも、当高分子型三配位ヨウ素化合物が工業的利用に十分対応できると考えられるが、今後は、ポリスチレン鎖の芳香環パラ位への三配位ヨウ素官能基の定量的導入とポリマー効果の関係を開拓することにより、当高分子型三配位ヨウ素化合物の汎用性の飛躍化を検討してゆく。
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