研究課題/領域番号 |
08554033
|
応募区分 | 試験 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
|
研究分担者 |
神谷 清 浜松ホトニクス, システム事業部, 部長代理
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
|
キーワード | 分裂間期 / 多色FISH / セクショニング顕微鏡 / テロメア / セントロメア / トリヌクレオチドリピート / non-B型DNA / 核内配置 |
研究概要 |
遺伝子発現を活発に行っている分裂間期の染色体は、分裂中期よりも遙かに伸長しているが、染色体DNAは間期核内でも高度に組織化された配置を取っており、その組織化自体が遺伝子発現やDNA複製の制御に深く係わっていると考えられている。本研究では、ヒトの多数の染色体の間期核内での3次元配置を解析する目的で、多色FISHシステムを開発している。ヒトの各染色体を別色に分染する目的で、第一、六、九、十九番染色体別のプローブを作成している。3次元構造を保持した間期核の調製法として、ヒトのリンパ球由来培養細胞を対象に、パラホルムアルデヒド固定とアルカリ変性法を組み合わせて、保存性の高い測定サンプルが調製できた。DNAの多色解析を可能にする蛍光色素として、cy2・cy3・cy5・FITC・PI・DAPI・SYBR Greenを用いて、励起波長と蛍光の両波長特性に適合する波長選択光路分割ミラーと狭帯域透過フィルターとの組み合わせの最適化を行った。蛍光顕微鏡によるZ軸方向での断層撮影と、断層面からの多数色3次元像を構築する目的で、セクショニング顕微鏡を用いた解析を行ったが、この場合は、現時点では、3色の解析が行えるにとどまっている。 3次元構造を保持した間期核の調製法を検討する過程で、テロメアの反復配列、セントロメアのαサテライト反復配列、トリヌクレオチドリピート配列である(CTG/CAG)nや(GAA/TTC)nや(GGA/TCC)n、ならびにテトラヌクレオチドリピートである(GGAA/TTCC)n等をプローブとすることで、未変性核を用いても、これら特徴配列の核内配置を高精度に解析が可能であることが判明した。これらの配列のいずれもが、non-B型DNA構造を形成する能力を持つことが知られているが、この性質を反映すると考えている。未変性間期核を対象にすることで、生細胞に近い条件下で、染色体DNAの核内配置が高精度に解析可能になった。
|