研究概要 |
前年度は,Nd:YAGレーザーをベースとした車載型送信システムの構築とイメージ・インテンシファイヤーと高感度CCDカメラを組み合わせた光学系を高精度で方位角および仰角を設定できる架台に取り付けた昼夜観測可能な受信系の構築を行った.さらに画像解析処理ソフトの開発,カラーコード化による雲や霧の状態のリアルタイム表示化を行った.そして室内実験およびフィールド実験)からその問題点および有用性を明らかにした.これら結果は,国際会議(第18回レーザーレーダ国際会議,ベルリン)および論文(レーザー研究)に公表した.今年度は2回のフィールド観測を中心にシステムの評価を行うとともにその有用性を明らかにした. 1.気象ゾンデ,音波レーダとの同一場所での共同観測:明星電気(株)守谷工場(茨城県北相馬郡守谷町)の敷地内で6日間(1997/5/25-30)の昼夜連続を行った.ここでは,雷雲の発生とそれに伴い雹が降った時の観測を偶然行うことができ,大変興味ある結果が得られた. 2.長野冬季オリンピック期間中における白馬,八方尾根の気象観測:同期間中の2月7日から16日までの10日間,霧や雲底高度の昼夜連続観測を行った.悪い天候に恵まれ,競技日程が大幅に変更される中で本ライダー観測のデータは,局地気象予報や現状の把握にとって大変有用であったことが証明された.観測状況は,NHKのニュースや「おはよう日本」,テレビ東京,朝日新聞等に紹介された.現在データの解析を行っており,結果を9月に北京で開催されるSPIEの国際会議に発表を予定している.またシステムの評価から,より実用化に向けたシステムの構築を予定している.
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