研究分担者 |
板谷 尚雄 グンゼ(株), 滋賀研究所, 主任研究員
古川 修二 グンゼ(株), 滋賀研究所, 研究員
南 内嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70113032)
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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研究概要 |
本研究では、申請者らの研究成果である高輝度発光が可能なセラミック形薄膜ELデバイスを、LCD用バックライトや電光掲示板等の平面光源として実用化することを目的としている。当年度の実績は次の通りである。 (1)MOCVD方による高効率ZnS:Mn薄膜EL素子を実現することを目的に,ZnS:Mn薄膜発光層の最適化を図ったところ,最高発光輝度11910[cd/m^2],400[V]印加時において発光効率 約1[lm/w]を実現した。最適成膜条件確立後は,再現性良く輝度,効率が得られるZnS:Mn薄膜EL素子を実現できた。 (2)ドクターブレ-ド方で作製されたセラミックを用いたものは発光輝度がコールドプレス方の素子に比べて劣るが,発光効率についてはコールドプレス法と比較すると高い効率のEL素子が得られた。 (3)ドクターブレ-ド法を用いたセラミックスを使用したZnS:Mn 薄膜EL素子の発光輝度,発光効率を高めるために,発光層の成長温度を変化させたところ,今回の条件の中では成長温度375[℃]の時に,わずかに優れたものが実現できたが,大きい変化が見られない。このことより今回の条件では,EL特性は,成長温度に対して依存しないことがわかった。 (4)アニール処理温度を変化させることによるEL特性の変化について検討してみたところ,860[℃]から900[℃]またはそれ以上の温度になると,結晶性は良くなるものの,発光輝度や発光効率は低下した。これより,コールドプレス法,ドクターブレ-ド法で作製されたセラミックスを用いたEL素子の最適なアニール処理温度は,800[℃]から860[℃]の間の温度である。 (5)絶縁層の厚さを変化させ,さらなる輝度と効率の向上を図ったところ,コールドプレス法,ドクターブレ-ド法で作製された絶縁層を用いた薄膜EL素子は共に、厚さを薄くするにつれて発光輝度の上昇を得ることができた。しかし,発光効率に関しては薄くなるにつれて低下した。
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