研究概要 |
次世代高効率エネルギ機器開発のためには、チタン合金やNi基超合金を始めとして、より高温下で、より信頼性の高い材料、あるいはその複合体の開発が機器開発のためのキ-テクノロジーとなっている。宇宙往還機などの航空機産業の分野においても類似の技術が必須となっている。以上の背景に鑑み、本研究では、(i)材料自らが本来持つ幾つかの微視組織とそれらの適材適所能力を利用し、目的に応じて微視組織を傾斜化して新機能を持たせた「自己組織傾斜機能化材」の創生 と、(ii)表面を酸化環境から保護する耐食あるいは遮熱コーティング技術の開発、および、その強度および機能評価 を主たる目的として研究を行った。 研究により得られた成果を要約すると、 (1)固相接合手法を応用し、Ti-6Al-4V合金が本来持つ幾つかの微視組織とそれらの適材適所能力を利用し、目的に応じて微視組織を傾斜化して新機能を持たせた「自己組織傾斜機能化材」を創生する手法の開発の為の目途を得た。 (2)(i)の目的達成のための接合条件を明らかにし、また、組織連続性、欠陥の有無、機械的性質などの観点から、微視組織傾斜化のための組織配列の選択とその最適化を行った。 (3)Ni基超合金に対して従来行われてきたMCrAlYとよばれる保護金属コーティング,および富Al化処理を施し、金属コーティング層と基材の間に形成される反応層などの力学的・材料学的相互作用を考慮しながら、それらの高温疲労破壊特性を明らかにし、その機構解明のための基礎的知見を得た。 (4)(1)-(3)をもとに、新しい複合材料の概念設計の指針を得た。
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