研究分担者 |
永翁 龍一 工業技術院 資源環境技術総合研究所, 地殻工学部, 研究官
齋藤 隆之 工業技術院 資源環境技術総合研究所, 地殻工学部, 研究室長
太田 貴士 大阪大学, 工学部, 助手 (10273583)
辻本 公一 大阪大学, 工学部, 助手 (10243180)
三宅 裕 大阪大学, 工学部, 教授 (50029005)
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研究概要 |
本研究は,地球温暖化の抑制策のひとつとして梶島・齋藤が提案している二酸化炭素の浅海処理法の実用化を目的としたものである.これは,GLAD(Gas-Lift Advanced Dissolution)システムと称するガスリフト方式による高効率溶解法で,本研究期間内に日本・米国において特許を取得したものである.本システムは,海中に敷設された管路に固定発生源からの気体二酸化炭素を吹き込んで溶解させ,海水よりも高密度となる溶液を深海に送り込むものである.本研究では,大口径管内を上昇しつつ溶解する炭酸ガスと海水の気液混相乱流挙動モデル化と,これに基づくシステムの性能予測と詳細設計,さらにはシステムの改良を援用する数値シミュレーション技術の確率を目標とし,実験ならびに数値計算によって研究を進めた. 実験においては,光ファイバープローブを開発し,小型水槽を用いて気泡の運動とスケールの測定精度の検証を行った.また,実証実験によって二酸化炭素処理性能を確認するとともに,溶解時の水の循環量,管内の二酸化炭素気泡分布を求め,基礎データを得た,一方,数値計算においては,気液混相乱流の直接数値シミュレーション,離散気泡法による管内一次元流れ解析の手法を構築した.前者においては,渦領域への気泡の集中,気泡の密度変動と渦の相互作用を再現することができた.後者においては,前述の実証実験に対応した数値シミュレーションを実施し,気泡上昇に対する揚水効果など定量的にも妥当な結果を得た. 以上により,実スケールの装置設計に要するシミュレーターの基盤が確立されたが,そこに導入される溶解性気泡乱流のモデリングのためにの解析(気泡乱流の直接計算と乱流水槽実験のハイブリッド解析)が今後の課題である.
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