研究分担者 |
岡 利春 石川島播磨重工業株式会社, 技術研究所・航空宇宙開発部, 研究員
内藤 均 東北大学, 工学部, 助手 (40270813)
湯上 浩雄 東北大学, 工学部, 助教授 (60192803)
斎藤 武雄 東北大学, 工学部, 教授 (80064161)
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研究概要 |
集中太陽エネルギーを利用したエネルギー変換に関する研究を行う場合,高温発生部が集光器の焦点部分に限られるので,各種エネルギー変換システムを構築する際には大きな問題となっていた.そこで本研究では,放物面太陽集光鏡の焦点に光ファイバーを設置して,高密度太陽エネルギーを光ファイバー伝送することにより,任意の場所で高温度領域における太陽エネルギー変換・利用および蓄熱が可能なシステムの開発を目的としている.さらにこのシステムを利用して,太陽光励起レーザー発振やSi製造などのソーラーケミストリーに関する研究の基礎を築き,また潜熱を利用した太陽エネルギーの高温蓄熱に関する研究を行う. 本年度は放物面集光鏡と光ファイバー,さらにその後段にCPCという複合放物面集光鏡を取り付けてより太陽光を高密度化することが可能なシステムを構築することを目的に研究を行った. 放物面鏡は口径1.56m,焦点距離650mmで太陽光を自動で追尾できるようにしている.放物面鏡により太陽エネルギー密度は約35000倍に高められる.光ファイバーは最大取り込み角24°で直径1mmの光ファイバーを250本束ねてファイバー束径18mmとしたものを採用した.CPCは許容角をファイバーの出射角(24°)に,入射口径をファイバー束径に合わせて集中度が4.4となるように設計し,アルミニウムを用いて作製した.放物面太陽集光器,光ファイバー,およびCPCを組み合わせた高密度太陽光伝送実験を行った結果,光ファイバーの出射端でのファイバー束の作製の悪さにより太陽光が出射端の手前で発散して十分な出力が得られないことが分かったが,CPCにおいては設計値にほぼ一致する出力の高密度化が行われていることが明らかになった.今後,ファイバーを調整し直して,この高密度太陽光伝送システムの再評価を行った後にソーラーケミストリーおよび高温蓄熱に関する研究を行う.
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