研究概要 |
集中太陽エネルギーを利用したエネルギー変換に関する研究を行う場合,高温発生部が集光器の焦点部分に限られるので,各種エネルギー変換システムを構築する際には大きな問題となる.そこで本研究では,放物面太陽集光鏡の焦点に光ファイバーを設置して,高密度太陽エネルギーを光ファイバー伝送てることにより,任意の場所で高温度領域における太陽エネルギー変換・利用および蓄熱が可能なシステムの開発を目的としている. 本研究では放物面集光鏡と光ファイバー,さらにその後段にCPCという複合放物面集光鏡を取り付けてより太陽光を高密度化とすることが可能なシステムを構築している.高密度太陽光伝送実験を行った結果,光ファイバーの出射端でのファイバー束の作製の悪さにより太陽光が出射端の手前で発散して十分な出力が得られないことが分かったが,CPCにおいては設計値にほぼ一致する出力の高密度化が行われていることが明らかになった.また光ファイバー出射端での太陽光密度の空間分布を測定した結果とレイトレース法により求めた結果からファイバーごとの透過率におおきなばらつきがあることが分かり,ファイバー端面の研磨やファイバーバンドルで端での加工法に関する研究が必要であることが分かった. 理想的な伝送効率を有する光ファイバーをし用することで,本システムでは800W/m^2の入射太陽光強度に対し,CPC出射端でのエネルギー密度は900W/cm^2と10000倍程度に高めることができ,このエネルギー密度ではLiFやLiF/CaF_2といった潜熱蓄熱材と組み合わせることにより,高温蓄熱システムの構築が可能となる.
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