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1997 年度 実績報告書

表面の熱ふく射現象計測のための高速スペクトル分光法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08555055
研究機関京都大学

研究代表者

牧野 俊郎  京都大学, 工学研究科, 教授 (30111941)

研究分担者 若林 英信  京都大学, 工学研究科, 助手 (00273467)
山根 常幸  (株)東レリサーチセンター, 材料物性研究部, 研究員
亀谷 雅嗣  (株)日立製作所, 機械研究所, 主任研究員
田中 貞行  福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80042969)
馬場 哲也  工業技術院計量研究所, 計測システム部, 室長(研究職)
キーワード熱物性 / 熱ふく射物性 / ふく射伝熱 / 分光測定 / ふく射温度計測 / 表面診断 / インプロセス計測 / 実在表面
研究概要

本研究は,「表面の熱ふく射現象計測のための高速スペクトル分光法の開発」をめざす2ヶ年計画の開発研究である。
平成9年度(第2年度)には,まず,前年度に引き続いて,この研究の試作装置である高速スペクトル測定装置の試作を行い,これを完成した.この装置は,可視〜赤外の波長域を1台の装置上で高速に繰り返し走査するコンピュータ制御の分光装置である.
ついで,この装置の'実在表面の熱ふく射特性の基礎研究'における有効性を例証するために,この装置を 0.35〜5.5μm の波長域で用いて,高温大気酸化過程にある金属表面の反射・放射スペクトルの推移を調べた.その結果,スペクトルに見出されるふく射干渉・回折現象の推移を通じて,酸化被膜の成長のようす,成長する被膜の結晶粒が被膜表面に生むあらさの程度などが推定できることがわかった.
また,この装置を利用して'ふく射を利用する表面のインプロセス診断法の開発'を試みるために,新しい表面診断法のアルゴリズムを提案した.それは,初期状態で表面に薄い酸化被膜がある金属光学鏡面が酸化したあらい表面に推移する過程で,(指向)放射エネルギーと(指向)入射鏡面反射方向反射エネルギーをスペクトル測定し,そのデータを解析して,表面の温度,(指向)放射率と(指向)入射鏡面反射方向反射率のスペクトル,被膜の光学定数スペクトル,平均厚さ,被膜表面のrmsあらさを時々刻々に診断するものである.開発したスペクトル装置を 1.1〜1.8μmの波長域で,上記の実験と同様の実験に用いて,放射・反射エネルギーを同時測定し,その結果を上述のアルゴリズムで解析した.本研究の方法が,優れた確度で温度を診断し,同時に表面の性状を精度よく診断することを例証した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 牧野俊郎: "高速スペクトル法による金属表面の温度・性状のインプロセス計測のアルゴリズム" 日本熱物性シンポジウム講演論文集. 第18回. 313-316 (1997)

  • [文献書誌] Makino,T.: "Thermal Radiation Chracteristics of Real Surfaces of Solid Materials in Natural/Industrial Environments" High Temperatures-High Pressures. vol.26. 581-590 (1997)

  • [文献書誌] 牧野俊郎: "高速スペクトル法の開発-金属表面の温度・性状診断への応用-" 日本伝熱シンポジウム講演論文集. 第35回(掲載予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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