研究分担者 |
茂木 仁 松下電器産業(株), 空調研究所, 主任技師
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20179550)
森 英夫 九州大学, 工学部, 助教授 (70150505)
小山 繁 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00153693)
本田 博司 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00038580)
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研究概要 |
本研究は,空調機やヒートポンプの蒸発器と凝縮器を対象として,冷媒HCFC-22の代替冷媒として有力な2種類の混合冷媒,凝似共沸混合冷媒HFC-32/HFC-125(50/50mass%)および非共沸混合冷媒HFC-32/HFC-125/HFC-134a(23/25/52mass%)の水平管内流における沸騰・蒸発と凝縮の熱伝達の促進方法を検討し,最適の伝熱促進管を開発することを目的とする. 1.沸騰・蒸発熱伝達に関して,平滑管および内面ら旋溝付管の実験を行い,次の結果を得た. (1).混合冷媒HFC-32/HFC-125では,成分冷媒の物質拡散抵抗による伝熱低下はみられない.局所熱伝達係数は,冷媒HCFC-22と比べて,平滑管では同程度か幾分大きくなるのに対し,内面ら旋溝付管では1.3〜1.5倍程度になり,幾分大きい伝熱促進が達成される. (2).混合冷媒HFC-32/HFC-125/HFC-134aでは,いずれの管においても,特に低流量で,成分冷媒の物質拡散抵抗による伝熱の低下が生じ,局所熱伝達係数は,HCFC-22と比べて,60%程度までの低い値を示す.ら旋溝付管による伝熱促進の程度も,HCFC-22と比べて小さい. (3).蒸気密度が幾分大きい混合冷媒HFC-32/HFC-125では,他の2冷媒と比べて,20%〜30%程度小さい圧力損失になっている. 2.凝縮熱伝達に関しては,次の結果を得た. (1).2成分および3成分の混合冷媒の平滑管内凝縮に関して,蒸気は飽和で液体は過冷さらに気液界面でのみ相平衡状態にあると仮定して,冷媒側の物質収支と冷却水側の熱収支を組み合わせて解く熱伝達の予測方法を開発した.本予測方法による予測値と実験データとの一致は良い. (2).内面ら旋溝付管を内菅とする水冷却の二重管式試験装置の製作を行った.現在,混合冷媒の成分冷媒の一つであるHFC-134aの熱伝達および圧力損失に関するデータを得ている.
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