研究分担者 |
森 英夫 九州大学, 工学研究科, 助教授 (70150505)
小山 繁 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00153693)
本田 博司 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00038580)
茂木 仁 松下電器産業株式会社, 空調研究所, 主任技師
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20179550)
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研究概要 |
空調機やヒートポンプの冷媒として用いられるHCFC-22の代替混合冷媒R-410AとR-407Cの伝熱促進管として内面微細溝付管を取り上げ,水平に配置したら施溝付管内とヘリンボン溝付管内の沸騰・蒸発および疑縮の実験を行い,伝熱特性と伝熱促進効果を明らかにするとともに,熱伝達の予測方法を検討して,以下の成果を得た. 1.沸騰・蒸発熱伝達に関して: (1).擬似共沸混合冷媒R-410Aの熱伝達は,一般に純冷媒の熱伝達とみなして良く,平滑管の熱伝達係数は著者らが提案した整理式によって精度良く予測することができる.一方,非共沸混合冷媒R-407Cでは,いずれの管においても低流量低クオリテイの場合に,成分冷媒の物質拡散抵抗の影響により伝熱が低下する. (2).両混合冷媒の熱伝達係数は,いずれの溝付管においても,流量の増加とともに増大するが,平滑管と比べた伝熱促進の程度は,低流量ではら旋溝付管で,高流量ではヘリンボン溝付管で大きくなる. (3).溝付管内の非加熱空気・水二相流の流動様相の観察を,特に構内の液体の挙動に注目して行い,溝付管の伝熱促進を説明するデータを得た. 2.凝縮熱伝達に関して: (1).沸騰・蒸発の場合と同様,R-407Cでは,低流量低クオリテイの場合に,成分冷媒の物質拡散抵抗による伝熱低下が生じる. (2).混合冷媒の熱伝達係数は,いずれの管においても,流量の増加とともに増大するが,熱流束の影響はほとんどみられない.溝付管における伝熱促進は,高流量でクオリテイが高いほど,ヘリンボン溝付管のほうが大きい. (3).平滑管の熱伝達に関して,液膜熱伝達と摩擦圧力損失の相関式を組み合わせて予測する方法を確立した.また,ら旋溝付管内の熱伝達に関して,流動様相の観察結果をもとに,環状流域における数値解析モデルを提案した. 3.圧力損失は,蒸気密度の違いに応じてR-407CのほうがR-410Aより20%〜30%程度大きく,またヘリンボン溝付管では,ら旋溝付管と比べて,最大1.5倍の大きい値を示す.
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