研究課題/領域番号 |
08555061
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
応募区分 | 試験 |
研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
熊崎 裕教 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (70270262)
|
研究分担者 |
羽根 一博 東北大学, 工学部, 教授 (50164893)
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30110183)
|
キーワード | 光学センサ / 動的膜厚測定 / イオンスパッタ装置 / 石英コア振動子 / サイズ効果 |
研究概要 |
光ファイバを用いた光熱振動型膜厚センサの測定信頼性を確認するため、AuおよびAgを膜質として用い実験を行った。いずれの場合も成膜とともに共振周波数はほぼ直線的に減少し、膜厚に対する共振周波数の相対的な変化率はAuの場合が0.015%/nm、Agの場合が0.009%/nmであった。共振周波数の相対的な変化率において、実験値と合成梁の振動に関する理論式より求めた計算値との総体的な傾向は類似であった。両者間に生じた差は、主に成膜の領域および分布が実際と計算モデルとで異なることによるものと考えられる。 次に、振動子のサイズ効果に関する検討を行った。はじめに直径がほぼ同じで長さの異なる3種類の振動子に対して共振周波数の膜厚依存性を測定した。各振動子の共振周波数は長さの二乗にほぼ反比例したが、膜厚に対する共振周波数の相対的な変化率に振動子の長さによる明らかな違いは見られなかった。周波数の測定精度を一定とすれば、膜厚の測定精度は共振周波数と共振周波数の相対的な変化率の積で決まるので、測定精度向上のためには短い振動子が有効である。直径33.0μm,長さ1.4mmの振動子を用いれば0.25nm程度の精度でAuの膜厚測定が可能である。 次に長さがほぼ同じで直径の異なる3種類の振動子に対して同様の実験を行った。各振動子の共振周波数は直径にほぼ比例し、共振周波数の相対的な変化率は振動子の直径にほぼ反比例した。つまり、振動子の直径を変化させても測定精度に明らかな差は生じない結果となった。これより、膜厚測定精度が振動子の長さには大きく依存し、直径にはほとんど依存しないことが確認できた。測定可能範囲という点では、直径の大きな振動子の方がより厚い膜まで共振周波数の変化が得られ、結論として、共振周波数が測定可能な範囲で、太く短い振動子が有効であるといえる。
|