研究課題/領域番号 |
08555061
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
熊崎 裕教 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (70270262)
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研究分担者 |
羽根 一博 東北大学, 工学部, 教授 (50164893)
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30110183)
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キーワード | 光学センサ / 動的膜厚測定 / イオンスパッタ装置 / 石英コア振動子 |
研究概要 |
膜厚測定の際、パソコンを用いて励振用レーザの周波数制御を行いながら振動信号を取り込み、共振点の追従および共振周波数の測定を自動で行うことを試みた。具体的には、励振用レーザの周波数を変化させながら振動信号を取り込み、ディジタルデータに変換した後、絶対値処理および加算処理を施すことによって振幅が最大となる点の周波数、つまり、共振周波数を自動で測定するものである。測定に要する時間が減少するとともに、共振周波数測定値の標準偏差を手動測定の場合と比べて2割程度低下させることができた。振動子自身の改良、アルゴリズムの改善等により更なる測定精度の向上および測定時間の短縮が可能である。 また、振動子として薄板ガラスを用いた膜厚センサに関する実験も行った。集光用マイクロ球レンズを内蔵したFCコネクタ(アダプタ)部品の先端部に、光熱吸収用のCrおよびAuを蒸着した薄板ガラスを挟み込んで固定した。ファイバ内を伝搬した励振用レーザ光はマイクロ球レンズを介して薄板ガラスに照射され、ガラスは光熱振動を生じる。光合分波器によって励振用レーザ光と合成した別波長直流レーザ光の戻り光を用いて振動検出を行った。成膜中でも光学系の調整をすることなく、膜厚に対する共振周波数を測定することができた。Auの成膜とともに薄板ガラス振動子(長さ5mm、幅2mm)の共振周波数は単調に減少し、Au50nmの成膜によって共振周波数は3.28kHzから37Hz程度減少し、膜厚500nmまでの平均的な周波数の変化率は0.074Hz/nmであった。振動子を小型化することによって比較的容易に、さらに高いQ値を持つ振動子を製作できることが予想され、測定精度の向上も可能であると考えられる。
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