本研究は、ペンシル形の高速原子線ソースや半導体レーザを被加工物のまわりに配して、ナノメータオーダの成膜・除去・改質を3次元的に行うシステムの構築を目的とする。ペンシル形の高速原子線ソースとして、直径10mm長60mmのガラス管を用いて、管外に電極を配したものを用いた。陰極には直径50μmの穴をあけて、被加工物に直径50μmだけ加工できるようにした。ここでは蒸着用の発熱体をガラス管に入れて亜鉛箔を蒸発させ、亜鉛ガスをアルゴンの高速原子線で押し出し、直径0.1μmのクラスタが堆積したような亜鉛膜を被加工物上に成膜できた。また、ペンシル形の出力1.6Wの半導体レーザを用いて、直径100μmの錫・銀半田ボールを1Torr以上の真空中で溶かして、ステンレスや金の微細構造物の半田付けができた。
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