研究課題/領域番号 |
08555070
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 仙台電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
服部 正行 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (00007022)
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研究分担者 |
和泉 健吉 シシド静電気(株), 横浜工場・常務取締役, 工場長
大泉 哲哉 仙台電波工業高等専門学校, 助教授 (70152048)
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キーワード | コロナ放電 / 円筒型コロナモータ / コロナモータ型オゾン発生器 / ディスク型コロナモータ / 多段構成コロナモータ |
研究概要 |
(1)コロナ放電型の高出力アクチュエータを開発するため、本研究では多段構成に適した放電電極の形状として、電極の両面から回転子にコロナ放電できる構造を提案し、直径180mm、厚さ0.8mmのディスクタイプの回転子と、厚さ8mm、1片が300mmの正方形のステンレス板からワイヤカット放電加工機で製作した放電電極を用いたディスク型コロナモータを試作した。試作機を用いた実験によれば、一段構成でも十分自起動できることが判明し、多段にすれば、ほぼ段数に比例して発生トルクが増加することなども確認できた。今年度は主として、各特性に及ぼすエアギャップ長の影響を調べたが、今後は主および補助電極の幅の比の効果や、電極数の影響を詳細に検討する必要がある。 その際、発生トルク特性の測定に関しては回転数をパラメータとして測定を行う必要があるため、小形DC発電機を直結し、その負荷抵抗を手動で調整し、速度制御を行っているのが現状であり、測定にかなりの時間を要している。今後は、今年度購入した制御系実装ツールを用いて、2自由度速度制御系を構成し、コロナモータの特性測定の自動化システムを構築し、測定時間およびデータ処理の簡素化を図る予定である。 (2)試作機のトルク測定に、現在は前述のようにブラシ付きの小形DCモータを負荷発電機として使用している。その際、ブラシレスの方が望ましいため、小形の同期電動機形ACサーボモータのトルク測定機へ応用するための基礎的な検討を行った。同期電動機をセンサレスでACサーボモータ化し、トルク計へ応用する方法を提案し、コロナモータのような比較的小さなトルクの測定には十分適用可能であろうという結果を得ている。 (3)コロナモータ型のオゾン発生器を試作し、その基本特性の測定を行った。回転子としては、市販の小形のファンと外径88mm、長さ26mm、厚さ1mmのPVC製の円筒を接着したものを用い、放電電極としては、長さ20mm、厚さ0.2mmのステンレス板を傾斜角約45°で、正・負電極用として各6枚ずつ用いている。 その結果、6kVで700rpm程度で回転し、オゾン発生器から20cm離れたところで、0.08ppm程度のオゾンが測定された。その際、大気のイオン発生量は正・負ともほぼ零であった。今後は、オゾン発生量と各パラメータとの関係の定量的な測定ならびにイオン発生器への改良、集塵効果の検討などを行う予定である。
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