研究概要 |
本研究では可変色放電の原理に基づく管壁負グロー(バリアー)放電を用いた発光色可変の面発光型平板光源とその点灯回路を試作した。 (1)Xeのみを封入し赤・青2種の蛍光体を使用した外部電極型放電管では、ガラス板厚が3又は5mmと厚かったため放電電圧が高かったが、トランス点灯で発光輝度が最高450nt、変色域はCIE-xy色度が(0.16,0.13)〜(0.64,0.35)と広い範囲をカバーできた。 (2)NeXe混合ガス747Torr封入の外部電極型平板放電管では、フルブリッジ点灯回路による透明電極側の温白色蛍光体の発光で色度が(0.45,0.41)、輝度5200nt程度、トランス点灯の不透明電極による青色蛍光体の発光で(0.14,0.06)、輝度1000nt程度、両側の点灯を併用し、X=0.2の点で約1850nt、X=0.3の点で約2460nt、X=0.35の点で約5400nt程度であった。最高輝度はランプ中央部で8000nt程度、平均的な場所でも4000nt程度と十分な値であったが、放電電圧が1kV以上と高く、また、場所による輝度ムラがあり実用的には障害となる問題も残る。 (3)放電電圧を下げる目的で製作した内部電極(誘電体コーティング)型平板放電管では、Hg/Xeガス封入タイプでは透明電極の形成ムラが発生し変色点灯をおこなうことができなかった。また、Ne/Xe混合ガス封入型では比較的低い輝度で負グローの拭く輻射熱によると思われる破壊が起こり、十分な結果を得ていないが、放電電圧は300V程度以下と格段に低く、実用化を考えるときに有望な手段となりえる。 (4)点灯回路はトランスを用いた正弦波点灯回路とフルブリッジ型矩形波点灯回路を試作したが、輝度をあげるには矩形波点灯でピーク電流を増すのが有効であった。
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